シャガールのタピスリー展


shoto201212_2

「タピスリー」というと、中世の色落ちした太い糸で織られた絨毯を想像します。今回、シャガールの作品がタピスリーになるということは、そういう感じのタピスリーなんだろうと、漠然と予想して出かけたのです。また、シャガールの作品は、色彩が幾重にも重なり、にじみもあって、線も自由に途切れ途切れ。そんな、いつもの油彩なり水彩なりの彼の作品がタピスリーになったら、それは、また別の作品なんだろう、、とも。

ところが館に入って目に飛び込んできた数メートルもある大きなサイズのタピスリーは、とても織物とは信じられない精巧なつくり。わずか25色の糸と使って、シャガールの作品そのものがタピスリーとして再現されていたのでした。

これは、シャガールが全幅の信頼を寄せていた、イヴェット・コキール=プランス(1928-2005)という女性による作品。昔の優れたタピスリー作品を研究して彼女独特の作品を生み出すことに成功したそうなのです。シャガール以外にも、ピカソやエルンストの作品のタピスリー化を行っています。「タピスリー」の認識を変えさせられてしまう、すばらしい作品。是非、お勧め。

shoto201212

併せて、シャガールの油彩・水彩・リトグラフの作品も数多く展示されています。

1月27日まで。渋谷区立松濤美術館。300円。

コメントを残す