モローとルオー展の感想


shiodome201210_zパリのギュスターヴ・モロー美術館が改装のため、モロー作品の貸し出しが実現した美術展。『 キマイラたち 』のような大きな作品の貸し出しは難しいとしても、結構、たくさん会えるかと楽しみにしていた展覧会です。

総論としては、汐留ミュージアムの展覧会であるためか、「モローの一番弟子であったルオーについて」という面を主題に置いた感が強かったように思います。出品数もモローとルオーと半々でした。

とはいえ、
 『 ヘラクレスとレルネのヒュドラ 』
 『 ハムレット 』
 『 一角獣 』
 『 セイレーンたち 』

などなど、国内では拝見できない作品が数多く出品されています。貴重な機会です。

パンフレットにも掲載されている、モローの『 ユピテルとセメレ 』は、同名の代表作の試作的作品。この後、あの、おどろおどろしい完成作へと向かうのですね。

また、『 油彩下絵 』という、大作の背景部分の試作がいくつか出ていましたが、これらは抽象絵画のようであり、新たな発見でした。

一方、ルオーについても、初期の頃は明暗表現の作品を描いており、当時、美術学校のみんなからは「レンブラントの再来」と言われていたとのこと。ある時期以降、彼独自の表現へと移行するわけですが、当初、そういう作品を残していたとは意外でした。

 

モローとルオー - 聖なるものの継承と変容 -
2013. 9. 7 – 12.10
汐留ミュージアム図録: ¥2,300
2013.12.20 – 2014. 3.23 松本市美術館 へ巡回

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