グッゲンハイム美術館の具体展


guggenheim201302
ニューヨークのグッゲンハイム美術館で具体展が始まりました。この美術館もそうですが、アメリカやイギリスなどの大手美術館は、展覧会ホームページが、そのイベントと並行して徐々に充実していくということがよくあるので、このサイトも、だんだんと内容がリッチになっていくのではないかと予測します。

と期待しつつサイトを見ていたら、「iアプリでも具体展を見よう」という記事が載っていました。早速ダウンロードしてみると、アプリのインストール後に 100メガぐらいの追加DLが必要でしたが、具体展のファイルがたくさん載っています。

嬉しいのは、キュレーターさんによる、この展覧会の、具体のきちんとした説明動画。10本以上載っています。学術的にも意味のあるネットサービスになっています。おそらくは、サイトの方にも追って掲載されるのでしょうけれど、当初はスマホ優先で来ましたね。

こういうサービスが日本の美術展でも広がってほしいところです。日本の現状は、どうも、共催のマスコミによる商業的Webサービスが基本で、きれいに作ってはありますが、内容が深くなく、また、展覧会が終わると消されてしまうという学術性の低い提供に終始している感あります。:-(

さて、MoMAでも “Tokyo 1955–1970: A New Avant-Garde” が開催されており、これは東京を中心にした戦後のアバンギャルド特集。ニューヨークでは、にわかに日本前衛芸術ブームって感じですね。今後も定着していったら良いなと思います。

Gutai: Splendid Playground
2013. 2.15 – 5. 8
at ソロモン・R・グッゲンハイム美術館

スウェーデンの女流画家 ヒルマ af クリント


ストックホルム近代美術館から新しい展覧会のニュースレターが届きました。今回は、ヒルマ af クリント (1862–1944) というスウェーデン出身の女流画家の回顧展。結構、美人ですね~。

これまで歴史に埋もれていたのですが、この人、実は、カンディンスキーやモンドリアン、マレーヴィチなどよりも先に抽象画を切り開いた人だそうで、美術展サイトには「ヒルマは未来のために絵を描いた」という解説があります。

生前には評価されなかった彼女の作品を、数十年の時を経て再評価しようという展覧会。サイトを見ると何点かの作品が紹介されています。円形のフォルムは、上記の抽象画家たちというよりは、どちらかというと ドローネー風であり、また、装飾・デザインのジャンルとも重なっている作品が多いかと思います。

時を経たアーティスト再評価掘り起こし型美術展、さて、後の時代にマッチして評価されるようになるのか否か、それは、企画する美術館の学芸員さんにとっても、チャレンジでありましょう。

Hilma af Klint – A Pioneer of Abstraction
2013. 2.16 – 5.26
at  ストックホルム近代美術館