この絵は体が大きい右側の男の「座り」が落ち着かない。すごく幅の狭い椅子に座っているようにも見えるし、ゆったり座っているようにも見える。一体、彼の後ろには壁が有るのか無いのか ?? この不安定な構図が、カードという - 負けた方が一杯奢るのだろう - 次の一手にハラハラするゲームにおける心理を表現しているようだ。
これは、セザンヌの複数のカード・シリーズにおける一番最後の作品。登場人物や表情などに寄らず、ようやく、構図によって緊張感を表現することに成功したものであろう。
なお、日本語訳は一般に『 カード遊びをする人たち 』とあるが、「遊び」では家族マージャン同様になってしまう。それではゲームの緊張感を表せない。なので、ココでは直訳にした。