「貴婦人と一角獣展」の感想
- 2013年06月03日
- 展覧会
展示会場に入るや、大っきい! 会場も広い!
1つで縦横3メートルもあるタピスリーが 6枚も円形に並びます。
また、国立新美術館で、こんな広いスペースが取れるんだぁ、と思いました。
「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」 と五感を表す作品。それぞれの内容は、貴婦人の動きを真似る「猿」の動作がヒントになっているとのこと。サイズの大きさと共に、2012年に修復されたそうですが、1500年頃という 500年以上も前に作成されたものであり、とても美しい作品です。
そして、6枚目のタピスリーが何か別の「感」を表したものとは限らず、タピスリー内に記載された(織り込まれた)「我が唯一の望み」というテキストが謎を呼んでいること、それが全体の魅力をさらに高めているでしょう。
それは、人それぞれ、いろんな解釈ができるのでしょうが、個人的には、実際に6枚を通して観た際に、これは「若さ」かと感じました。
「触覚」「味覚」では、貴婦人ははつらつとした姿。「嗅覚」「聴覚」では、多分に退屈やアンニュイな感じ。そして「視覚」では悲しみの表情に見えました。
どういう状況にあろうとも、一角獣と獅子が側にいて守ってくれるということでしょう。そして、最後に「いつまでも若く・夫婦仲良く」という風に感じた訳です。
さて、みなさんは、どのように感じられたでしょうか?
ところで、今、アメリカのニューヨークのメトロポリタン美術館でも、クロイスター分館に所蔵されている「一角獣タピスリー」の展覧会 が開催されています(5/15 – 8/18)。これも、この、フランス・クリュニー中世美術館から来ている作品と同じ作者(工房)によるもので、つまり、一連の作品と言えます。
「貴婦人と一角獣展」
国立新美術館
2013. 4.24 – 7.15
国立国際美術館
2013. 7.27 – 10.20
図録:2,000円