遅くなりましたが、毎月の定点観測です。この月は中国とオーストラリアものばかりで、規模も小さかった模様です。11月は既に大型の落札情報が出ていますので、来月は楽しみです。
1. Piero Manzoni 『 Achrome 』 2,030万ドル
2. Cui Ruzhuo 『 百开团扇镜心 』 1,672万ドル
3. Gerhard Richter 『 Clouds (Window) 』 1,003万ドル
4. Zhang Daqian 『 La Beauté antique 』 853万ドル
5. Liu Xiaodong 『 Disobeying the rules 』 853万ドル
6. Sigmar Polke 『 Indian with Eagle 』 823万ドル
7. Zao Wou-Ki 『 Beginning of October 』 766万ドル
8. Fang Lijun 『 Series 2 no.4 』 766万ドル
9. Peter Doig 『 The Heart of Old San Juan 』 732万ドル
10. Gerhard Richter 『 Forest Piece (Chile) 』 714万ドル
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毎月の定点観測です。この月も規模は比較的小さいです。
1. Vija Celmins 『 Burning plane 』 341万ドル
2. Keith Haring 『 Untitled 』 274万ドル
3. Zheng Xie 『 Bamboo and rock 』 262万ドル
4. Vasudeo S. Gaitonde 『 Untitled 』 168万ドル
5. Francis Newton Souza 『 The Butcher 』 168万ドル
6. Vija Celmins 『 Clouds no.2 』 156万ドル
7. Vija Celmins 『 Pink pearl eraser 』 156万ドル
8. Howard Terpning 『 Major North and the Pawnee Battalion 』 149万ドル
9. Sayed Haider Raza 『 La Terre 』 136万ドル
10. Ni Yuanlu 『 Poems in cursive script 』 132万ドル
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毎月の定点観測です。この月は中国とオーストラリアものばかりで、規模も小さかった模様です。
1. Huang Binhong 『 齐山旧游图 』 145万ドル
2. Jeffrey Smart 『 Self portrait at Papini’s 』 117万ドル
3. Jeffrey Smart 『 The Red Warehouse 』 81万ドル
4. Xu Beihong 『 立马图 』 74万ドル
5. Fu Baoshi 『 观瀑图 』 74万ドル
6. Brett Whiteley 『 Orange fruit dove, Fiji 』 72万ドル
7. Qian Songyan 『 碧云深处 』 68万ドル
8. Frank Auerbach 『 David landau seated 』 67万ドル
9. Zhou Jingxin 『 忠义堂 』 59万ドル
10. Jeffrey Smart 『 Radial Road 』 56万ドル
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いつもの通り、個人的に、各作品の前で、どう立ち止まったかのリスト(敬称略)。
◎ しばらく足が止まった作品
『 雪間 』 安原 成美
『 秋陽 』 小林 路子
『 午下 』 山﨑 佳代
『 奉燈 』 阪野 智啓
『 二人 』 澁澤 星
『 桜島 』 後藤 純男
『 老松 』 大野 百樹
○ すこし足が止まった作品
『 坂の上から 』 伊藤 髟耳
『 あ伎の野辺 』 北田 克己
『 行く夏 』 守 みどり
『 佳き日 』 宮北 千織
『 浄闇“第62回伊勢神宮式年遷宮遷御之儀” 』 高橋 天山
『 白夜 』 吉村 誠司
『 悸 』 奥山 たか子
※ 前回(再興第98回 院展)の感想
■ 再興第98回 院展 東京展
会場: 東京都美術館
期間: 2014. 9. 2 – 9.15 その後、全国各地巡回
HP: 日本美術院のホームページ
巡回展
京都市・京都市美術館: 9.19 – 10. 5
大阪市・大丸心斎橋店: 10. 8 – 10.14
安来市・足立美術館: 10.18 – 11. 9
福井市・福井県立美術館 11.14 – 11.24
名古屋市・松坂屋美術館:11.29 – 12. 7
横浜市・そごう美術館: 12.11 – 12.28
岡山市・天満屋: 2015.1. 2 – 1.18
広島市・福屋: 1.22 – 2. 3
浜松市・クリエート浜松: 2. 6 – 2.22
北茨城市・天心記念五浦美術館:2.28 – 3.29
北九州市・北九州市立美術館分館:4.10 – 5. 6
江津市・今井美術館: 5. 9 – 5.24
毎月の定点観測です。フェルメールの出品が話題になりましたが、ダントツいう訳ではありませんでした。
1. フランシス・ベーコン 『 Study for Head of Lucian Freud 』 1,972万ドル
2. ピーター・ドイグ 『 Gasthof 』 1,703万ドル
3. Francesco Guardi 『 Venice, the Bacino di San Marco, with the Piazzetta and the Doge’s Palace 』 1,692万ドル
4. George Stubbs 『 Tygers at play 』 1,318万ドル
5. Jan Brueghel the Elder 『 The Garden of Eden with the fall of man 』 1,165万ドル
6. アンディ・ウォーホル 『 Self-Portrait (Fright Wig)』 1,089万ドル
7. Christopher Wool 『 無題 』 1,070万ドル
8. フェルメール 『 Saint Praxedis 』 1,069万ドル
9. Lucio Fontana 『 Concetto spaziale, Attese 』 1,031万ドル
10. Giovanni da Rimini 『 Episodes from the lives of the Virgin and other saints 』 973万ドル
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毎月の定点観測です。6月も有名どころたくさんです。
1. モネ 『 睡蓮 』 5,395万ドル
2. フランシス・ベーコン 『 Three studies for portrait of George Dyer (on light ground)』 4,546万ドル
3. モンドリアン 『 Composition with red, blue and grey 』 2,585万ドル
4. シュヴィッタース 『 Ja – Was? – Bild 』 2,371万ドル
5. モディリニアーニ 『 Portrait de Paul Alexandre 』 1,843万ドル
6. ジャコメッティ 『 Femme de Venise II 』 1,534万ドル
7. モネ 『 La Seine à Argenteuil 』 1,452万ドル
8. ピーター・ドイグ 『 Country-rock (Wing-mirror) 』 1,445万ドル
9. モネ 『 Antibes, vue du Plateau Notre-Dame 』 1,347万ドル
10. マティス 『 L’artiste et le modèle nu 』 1,154万ドル
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すっかり、毎月の定点観測の記事ばかりになってしまいましたので、そろそろ、いわゆる「ブログ記事」も。ちゃんと書かないといけませんね。
ということで、、
1年以上前になると思いますが、ソロモン・グッゲンハイム美術館の画像データベースが改訂されたことによって、それまで画家ページでの作品ごとにリンクしていた美術館サイトへのページが切れてしまいました。
先日、再設定を完了したのですが、この、ソロモン・グッゲンハイム美術館のサイトでは、リンクが切れたことによって新作品別ページにリダイレクトはしてくれないものの、所蔵アーティスト作品一覧へはリダイレクトになっていました。それはそれで便利なページです。このホームページで紹介できる作品には限りがあり、世界の美術館には、まだまだ観たことが無い優れた作品の所蔵がたっくさんあるのですから、サイトを観ているだけでも楽しいものです。
これは、ある意味、もったいないことだと思っておりました。ですので、美術館のページのアーティスト別に、その一覧表ページへのリンクを設定することにしました。一度には対応出来ませんので、また、日々、少しずつ反映させていきますが、まずは、ニューヨーク近代美術館 と ソロモン・グッゲンハイム美術館 のページを完成させました。
> アンソール James Ensor ◆
> 『 聖アントニウスの苦難 』 1887 117.8*167.6
> Tribulations of Saint Anthony
このアーティスト名の右横の ◆印が、ニューヨーク近代美術館サイトのアンソール作品一覧ページへの直リンクです。
だいたい、どこの美術館のサイトも初期の作品から時系列で並んでいますので、初期のころの意外な作品に出会えたり、数多くの素描を観ていくこともできるでしょう。あまり知らない画家で日本に来たのが1作のみで、よく把握できなかったのが、データベース上で数十件まとめて観られたりすると、俄然、興味が沸いたりすることもあるでしょう。
現時点での各大手美術館の画像データベースは、一応、完成の域に来ていると思います。今後、テクノロジーの発達等により、何度もサイトの改訂が行われて高度化していくことでしょうが、作品画像の大きさや質も充実したものになりました。まだ、未掲載のデータもあるものの、登録作品数も、かなりカバーされて来ています。
インターネットによる美術作品の旅、ますます、広がりますね。
毎月の定点観測です。今回は、すごい作品揃いです。最低でも 30億円以上!
1. バーネット・ニューマン 『 Black Fire I 』 8,416万ドル
2. フランシス・ベーコン 『 Three Studies for a Portrait of John Edwards (in 3 parts)』 8,080万ドル
3. マーク・ロスコ 『 Untitled 』 6,624万ドル
4. アンディ・ウォーホル 『 Race Riot (in 4 parts)』 6,288万ドル
3. マーク・ロスコ 『 Untitled (Red, Blue, Orange) 』 5,616万ドル
6. アンディ・ウォーホル 『 White Marilyn 』 4,104万ドル
7. バスキア 『 Untitled 』 3,488万ドル
8. ジェフ・クーン 『 Jim Beam – J.B. Turner Train 』 3,376万ドル
9. パブロ・ピカソ 『 Le sauvetage 』 3,152万ドル
10. アンディ・ウォーホル 『 Six self portraits 』 3,012万ドル
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毎月の定点観測です。今回は、ほとんど中国ばかりです。
1. Cui Ruzhuo 『 丹枫白雪 (Landscape in snow)』 2,372万ドル
2. Zhang Xiaogang 『 Bloodline: Big family no. 3 』 1,214万ドル
3. Sanyu 『 Potted chrysanthemums 』 1,041万ドル
4. S.Sudjojono 『 Our soldiers led under prince Diponegoro 』 752万ドル
5. ‘Ali Mihr 『 Qajar royal portrait of Fath’Ali Shah attended by a prince 』 501万ドル
6. Pan Yuliang 『 窗边裸女 (Nude by window)』 445万ドル
7. Cui Ruzhuo 『 山色苍茫酿雪天 (Snowy mountain)』 370万ドル
8. Chen Yifei 『 Morning prayer 』 348万ドル
9. Zhang Daqian 『 Landscape in afterglow 』 312万ドル
10. Wu Guanzhong 『 交臂 (City on the river side)』 296万ドル
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毎月の定点観測です。先月に比べると規模は小さいです。
1. Laurence Stephen Lowry 『 Piccadilly Circus, London 』 845万ドル
2. Jean-Michel Frank 『 Cabinet 』 510万ドル
3. Laurence Stephen Lowry 『 A town square 』 411万ドル
4. Laurence Stephen Lowry 『 A river bank 』 328万ドル
5. Jan Gossaert 『 Maria mit Kind 』 268万ドル
6. Vasudeo S. Gaitonde 『 Painting no.3 』 251万ドル
7. Pieter Brueghel the Younger 『 La danse de noces en plein air 』 229万ドル
8. Tyeb Mehta 『 Untitled (Bull)』 228万ドル
9. ピサロ 『 Femme poussant une brouette, Eragny 』 206万ドル
10. Wang Shouren 『 Parting at the Ye River in cursive script 』 204万ドル
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毎月の定点観測です。おなじみの高額落札作家の作品ずらりですね。
1. ベーコン 『 Portrait of George Dyer Talking 』 7,020万ドル
2. グリス 『 Nature morte à la nappe à carreaux 』 5,673万ドル
3. リヒター 『 Abstraktes Bild 』 4,219万ドル
4. ピサロ 『 Le boulevard Montmartre, matinée de printemps 』 3,209万ドル
5. リヒター 『 Wand (Wall) 』 2,891万ドル
6. ゴッホ 『 L’homme est en mer 』 2,752万ドル
7. ピカソ 『 Femme au costume turc dans un fauteuil 』 2,752万ドル
8. ジェフ・クーンズ 『 Cracked Egg (Magenta) 』 2,343万ドル
9. モンドリアン 『 Composition No. II with Blue and Yellow 』 2,021万ドル
10. サイ・トゥンブリー 『 Untitled (Rome) 』 2,018万ドル
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毎月の定点観測です。今回はオールドマスターズです。
1. Jacopo Bassano 『 The Adoration of the Shepherds 』 890万ドル
2. ホントホルスト 『 A merry group behind a balustrade with a violin and a lute player 』 755万ドル
3. エル・グレコ 『 The Annunciation 』 587万ドル
4. ブリューゲル (子) 『 Summer: Figures eating during the Summer Harvest 』 520万ドル
5. Jacob Ochtervelt 『 A child and nurse in the foyer of an elegant townhouse, the parents beyond 』 442万ドル
6. Giovanni Domenico Tiepolo 『 I Cani Sapienti (The Dancing Dogs)』 363万ドル
7. Jan Provost 『 The Annunciation 』 363万ドル
8. William Danielsz van Tetrode 『 Samson slaying the Philistine 』 330万ドル
9. Italian School-Lombardy (16) 『 Portrait of a gyrfalcon, viewed from three sides 』 318万ドル
10. ブリューゲル (子) 『 The bird trap 』 274万ドル
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下村観山は、卓抜した技量をもって岡倉天心の思想を絵画上に表現したといわれる画家です。同じ院展における横山大観や菱田春草が個別の回顧展が開催されるのに対し、この人の作品は何かの企画展の中に出品されるのみで、回顧展までは開催されません。また、先の二人の作品が切手の図柄に採用されているのに対して、観山の作品は取り上げられることがありません。
ともかく寡黙で、自ら美術思想を語る人ではなかったため、大観や春草と画論を交わすことは無かったそうです。大観からは「下村さんは(中略)、普段もあまり絵の話をしない人ですから、あるいはできない人ですから、私とはあまり話しませんし」(「大観語録」)とあり、春草も「下村君は全然独創的に新境域を開拓する人ではないやうである」と言っています。憶測ですが、大観や春草からすると、自らの考えを言明することも無く、すらすらと旨く描いてしまう観山はうらやましくもあり、歯がゆい面があったのでしょう。
前段が長くなりました。
今回の大規模回顧展、最初に展示室に入ってすぐ、狩野派の濃い線の軸作品がいくつか続きます。狩野派の誰かの参考出展かと思いつつも、なんだか子供じみた表現です。よく見たら、観山10歳の頃の作品とあり、びっくり。やはり天賦の才ですね。
その後、東京美術学校に入り、大和絵風、絵巻物風の習作が続きます。
そして、第一段としての完成を見るのが、『 闍維 』1898 (M31) や 『 修羅道 』1900 (M33) でしょう。
『 日・月蓬莱山図 』 1900 (M33) は、大観との朦朧体風景画の共作です。大観が天心と「ああだ、こうだ」と言って制作していったのと対照的に、観山は隣ですらすらと描いたように思えました。
ところで、英国留学中に制作された作品が数点、大英博物館に所蔵されています。さすがに、それらは今回は出展されていませんでしたが、大英博物館のDBで画像が見られますので、その一つにリンクしておきます。
『 ダイオゼニス 』
帰国後、五浦時代の、『 木の間の秋 』1907 (M40) 、原三渓の招きにより横浜本牧へ移動し、再興院展での『 白狐 』1914 (T03)、『 弱法師 』 1915 (T04) などの屏風絵の傑作が続きます。(前後期展示混ぜてます)
おもしろいのは、終盤に展示されている 1916 (T05)頃以降の宋元画風の作品群。多くの人物が、どれも岡倉天心の顔なんですね。観山としての感謝の念なのでしょうけれど、いくつも続けて見ると、ちょっと笑えます。
初見のところで良かったのは、『 春秋鹿図 』1902-06 (M35-39)頃。個人蔵らしいので、もう逢えないかもしれません。
あと、観山は鵜を扱った作品をいくつも描いていますが、昔、目黒雅叙園美術館にあった『 夕日と鵜 』1911 (M44)頃 に今回、再会出来ないかと期待していたものの、出ていませんでした。岩の描写が妙にインパクトあったのですが、今どこにあるのでしょう?
生誕140年記念 下村観山 展
横浜美術館
2013.12. 7 – 2014. 2.11
図録: ¥2,500
毎月の定点観測です。
1. ノーマン・ロックウェル 『 Saying grace 』 4,608万ドル
2. エドワード・ホッパー 『 East Wind Over Weehawken 』 4,048万ドル
3. Jean Honoré Fragonard 『 Portrait of François-Henri, 5th duc d’Harcourt 』 2,793万ドル
4. Huang Zhou 『 欢腾的草原 』 2,114万ドル
5. Canaletto 『 Venice (pair) 』 1,570万ドル
6. ザオ・ウィーキー 『 Abstraction 』 1,471万ドル
7. Emperor Qianlong 『 御临唐寅·文征明兰亭书画合璧 』 896万ドル
8. モディリアーニ 『 Portrait de Roger Dutilleul 』 878万ドル
9. Li Keran 『 江山胜境图 』 861万ドル
10. ノーマン・ロックウェル 『 The gossips 』 845万ドル
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西馬込 の大田区立郷土博物館にて、「 川瀬巴水 - 生誕130年記念 - 」展が開催されています。2013.10.27 – 2014. 3. 2 の期間、前期・中期・後期に分けて全点展示替えで、500点近くの巴水作品に会える、しかも無料公開の展覧会です。
川瀬巴水は大正から昭和初期にかけて活躍した版画家で、戦前の東京等の情景が、一見、江戸期の版画と似ているのですが、よく見ると電気が灯っていたり運河があったりと近代化含みのところに独特な情緒があります。
暗い夕刻の風景の家屋の中に明かりがあるのは、マグリット的でもあります。
NHKの番組でアップル社の故スティーブ・ジョブスも好んだとありましたが、彼は巴水のみではなく、近代日本版画全般が気に入っていたらしいです。
さて、この方、鏑木清方 の弟子でありました。大正期に三菱財閥がお得意先への配るために深川別邸を描いた「三菱深川別邸の図」というものを企画しました。当初、鏑木清方へ依頼されたのですが、清方は「風景なら巴水の方がいい」と彼を推挙したことで、巴水の作品が実現することになったのです。三菱の贈答品として海外にも広がったことで、世界的に人気となりました。
もし、鏑木清方作の美人風景画が実現して海外に出ていたら、国際的な清方人気が、もっと広がっていたかも? と思うと、正直、ちょっと残念な気もしますが、巴水自身意図したわけではないでしょうが、思わぬところで、結果的に国際媒体に乗って広がったというマーケティングに成功したわけですね。
「 川瀬巴水 - 生誕130年記念 - 」
大田区立郷土博物館
2013.10.27 – 2014. 3. 2 前期・中期・後期: 全点展示替え
図録: 2,000円
なお、同時期、千葉市美術館でも「 川瀬巴水 展 」が開催されています。
2013.11.26 – 2014. 1.19