アート・ニュース 2011 - Vol.04

  ( 4/1 - 6/30 )


2011.06.27(月):

日本で最古のピカソ作品というと?

先日、ピカソが 12歳頃から描いた、彼の夭折した妹のスケッチを元に後年描いた初期の作品らしいというニュース → 画像はこちら についてツイートしたら、たくさんRTいただきました。

さて、日本で、そんな、ピカソが中学生の頃の初期の作品って、あったかな? と調べるに、、

科学と博愛 』 1897  上原近代美術館

が、16歳時で最古と思いきや、

長いひげの裸体男性像 』 1895-96  損保ジャパン 東郷青児美術館

がありました。14-15歳です。

どちらにせよ、呆れるくらいの、しっかりすぎるデッサンを基にしています。


 ※ ピカソ のページ





2011.06.25(土):

荒川修作のページを追加

荒川修作 作品所蔵の美術館一覧等の情報ページをアップしました。

亡くなられて、もう1年以上が過ぎました。早いです。


荒川修作のページ





2011.06.20(月):

ワシントン・ナショナル・ギャラリー 展

震災・原発事故を受けて、予定されていた海外からの来日展示会が次々とキャンセル/延期となる中、幸いにして予定通り実現できた感あります。

全般に、一番話題は、やはり、この作品
Madame Monet and Her Son Buy This Allposters.co.jp
 モネ 『 日傘の女性、モネ夫人と息子 』 1875

かなぁ、と思いますが、ココではセザンヌのお話を。


セザンヌは、有名な「リンゴ」が複数視点の1面詰め込みによって観る人の眼と脳を混乱させているように、他の作品でもシリーズごとに何かの「謎かけ」が仕込んであるように思うのですね。

『 サント=ヴィクトワール山 』 シリーズでは遠近の混乱と、分解人体の山への埋め込み。
『 カードをしている男たち 』 シリーズは、構図によるゲームの緊張感。
『 水浴 』 シリーズも前後の位置関係がおかしいのがありますが、他にも何かありそうと。。

そんな中で、セザンヌの人物画については、これといった不自然なところが少ないように思うのですが、今回、来ているのが、コレ。

  

 『 赤チョッキの少年 』 1888-1890

このズボンは変ですよね!? 剣を挿している可能性もあるけれど、90度時計回りに回転させて観てみると、何やら犬か魚の顔みたいにも見えてきます。デザインは背景のカーテンと同等であり、それとつながっているようにも見えてしまいます。

赤いチョッキも、少年にしては腹が出ていて、モデル本人には、いささか不名誉。チョッキが擬人化されて、岡本太郎の作品のような顔に見えてこないことも無く、そんな感じで観ていくと、上半身と下半身はバラバラで、またまた観ている眼と脳を不安定な状態に陥らせているのかもしれません。

比較のために、こちらは、別の、赤いチョッキの少年の作品

 

 『 赤いチョッキの少年 』 1888-90  バーンズ財団美術館

チョッキの中のシャツが黒ずんでいて、座布団みたいなものを入れているような感じに見えます。これも不自然でなのですが、何故に「赤」のチョッキなのか? 少女のようなイタリア少年なのか?

今回は、ココまででギブアップ。何か「謎かけ」あると思うんですけどね~。
引き続き、セザンヌ先生からの絵画難問道場、考えます。

■ ワシントン・ナショナル・ギャラリー 展
 会場: 国立新美術館
 期間: 2011. 6. 8 - 2011. 9. 5
 URL: http://www.ntv.co.jp/washington/

※ 関連ページ: ワシントン・ナショナル・ギャラリー 西洋画





2011.06.16(木):

千葉市美術館のページを追加

江戸期の日本画から現代アート作品まで、幅広いコレクションが特徴の千葉市美術館のページをアップしました。

企画展も凝ってられて、良いですね。^^


千葉市美術館のページ





2011.06.13(月):

川越市立美術館のページを追加

橋本雅邦や小茂田青樹の作品所蔵が特徴の川越市立美術館のページを追加しました。

洋画でも、小磯良平・脇田和・猪熊弦一郎 等の作品をお持ちですが、今回は日本画のみ反映しました。


川越市立美術館のページ





2011.06.12(日):

秋のフィリップス・コレクション展


アメリカ、ワシントンにある「フィリップス・コレクション」、直近では6年前に森アーツセンターギャラリーにフランス印象派の作品を中心に来たものの、それらは膨大な所蔵の、ほんの一部であり、続編の来日が無いかな、と期待していました。

その期待の声が届いたわけでは無いでしょうが、この秋に、今回はアメリカ作品を中心に国立新美術館にやってくることになりました。

これは楽しみです。^^

 ■ モダン・アート,アメリカン - 珠玉のフィリップス・コレクション -展
  会場: 国立新美術館(地図)
  期間: 2011. 9.28 - 12. 12
  URL: http://american2011.jp/

 ※ フィリップス・コレクションのページ





2011.06.05(日):

山梨県立美術館のページを追加

あれこれ横に手を伸ばし過ぎてしまいましたので、本来の国内美術館所蔵作品情報追加が、すごく久々になってしまいました。

ミレーの美術館、山梨県立美術館のページを追加しました。


山梨県立美術館のページ





2011.06.03(金):

ジパング展




東京 日本橋髙島屋で開催中のジパング展。出展者の中で公式ホームページをお持ちの方のサイト・リンク集です。

アーティスト本人による公式ホームページは、作品・経緯・主張等の全体を知ることが出来ると共に、サイトのセンスに意気込みなども感じることができますね。

それは、美術館やギャラリーなどのHPでの紹介とは違って、ビビッドに感じてくるものがあるかと思います。

ネットでサーフして背景を確認してから観るか、観てからサーフするか?
どちらにしても認識、高まりますね ^^

以下、敬称略・順不同
 
宮永愛子 天明屋尚 O JUN 三瀬夏之介
岡本瑛里 近藤聡乃 染谷聡 南条嘉毅
指江昌克 山口藍 山本太郎 吉田朗

 ■ ジパング展 - 31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン
  会場: 東京 日本橋 髙島屋 8F催物会場
  期間: 2011. 6. 1 - 6. 20
  URL: http://zipangu.org



2011.06.02(木):

リヒターとトゥオンブリー 新作エディション展

サイ・トゥオンブリー、2009年にシカゴ美術館で大規模な回顧展が開催された時に、「現代アメリカの偉大な画家の作品を見逃すでないぞ」という謳い文句に惹かれてサイト上で鑑賞して以来、ずっと気になっている画家である。

こちらに、そのページが残してあるので、ご鑑賞ください。
シカゴ美術館の展覧会ページ

特に「クラゲ」な作品に実際に会ってみたい。

また、昨年には、ルーヴル美術館の天井を描くとあって話題になったが、こちらは「まるまる」の作品であった。→ こちらにルーヴルのプレスリリース

さて、日本には、いわき市立美術館や、確か大阪の国立国際美術館ぐらいにしか所蔵が無く、それも(表現が良いのか否か知らないが)、落書き的ドローイング&ペインティングのシリーズである。

というわけで、どういう作風の変遷かという全体像と、その趣旨の解説が少なく、よく解らず、ずっと悶々としているのである。それが、今回、六本木の WAKO WORKS OF ART に新作が来るとあって、会期ギリギリであるが、出かけた。

果たして、今回の新作エディション展は、「黄色いチューリップの写真」シリーズであった。先のシカゴ美術館で展示された赤いチューリップの別シリーズである。「クラゲ」とも「まるまる」とも「落書き」とも違う、超接近ピンぼけの写真作品。

う~ん。これらの意図すべきところは何なのか? いや、何を感じて、それはテキストに出来るものなのか? かえって「悶々」が増えてしまった w


 ■ リヒターとトゥオンブリー 新作エディション展
  会場: ワコウ・ワークス・オブ・アート
  期間: 2011. 5. 7 - 6. 4
  URL: http://www.wako-art.jp/top.php




2011.05.25(水):

タグチ・アートコレクション GLOBAL NEW ART

7月12日から、損保ジャパン東郷青児美術館にて、田口弘氏による現代アートのコレクションである、「タグチ・アートコレクション GLOBAL NEW ART」 展 が開催されるそうである。

>> アートのワールドカップともいうべき国際展や世界的なギャラリーで
>> 活躍する作家を集めています。

とのこと。これは楽しみである。

ところが、美術館ホームページでは約40作品の出展予定があるというものの、その作家内訳が少なく、いまいち判らない。それが、出展者の一人である 天明屋尚氏のホームページ のニュース欄に記載してあった。

 アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、キース・ヘリング
 デイヴィッド・ホックニー、ジュリアン・オピー、ジェレミー・ディッキンソン

 デミアン・ハースト、ヨナタン・メーゼ、ディヴィッド・ラトクリフ
 ケヒンディ・ウイリー、マリーナ・カポス、ジン・メイヤーソン

 ワンゲチ・ムトゥ、トゥークラル&タグラ、ヴィック・ムニーズ
 大岩オスカール、杉本博司、奈良美智、村上隆、加藤美桂、 天明屋尚

 丸山直文、桑久保徹、名和晃平、照屋勇賢、、他

うぁお! これは、絶対、行かなくちゃ。

それからと、美術館ホームページが完全だと思っていたのだが、アーティストHPのチェックも大切なんだということに初めて気づいた次第。


■ タグチ・アートコレクション GLOBAL NEW ART 展
  会場: 損保ジャパン東郷青児美術館 (地図)
  期間: 2011. 7.12 - 8.31
  URL: http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index2.html




2011.05.16(月):

200年前のガイドブックに誘われて

36 Views of Mount Fuji, no. 35: Reflected in Lake Kawaguchi, Seen from the Misaka Pass, Kai Provinc
  大サイズ/購入 オールポスターズ

葛飾北斎 『 冨嶽三十六景 』の 『 甲州三坂水面 』 1830-32 (天保01-03)頃

ネットで調べるに、御坂峠から、こういう感じでは富士山は望めないとあり、急に自分の目で確かめたくなった。

中央自動車道の一宮御坂ICを降り、137号線を経て、くねくねくねの細い山道である708号線を登り切り、長くて暗~い(天井に家庭用蛍光灯が数本しか付いていない)トンネルを抜けると、そこに突如現れるのが、この絶景!

   2011.5.15撮影


手前の二つの山の稜線が富士を逆さにしたような形となり、おもしろい景観になっている。しかし、眼下の河口湖ははるか下にあり、たとえ富士が湖面に映ったとしても、とても『 甲州三坂水面 』のようには見えないのである。

つまり、遠景は御坂峠からのもので、湖面は河口湖畔に降りてからのもの。また、逆さ富士の向きが裏返しになっているし、さらには、富士は夏山、湖面の逆さ富士は雪山と、それぞれが反対になっているのだ。

北斎の創作。現代に、こんなガイドブックが出されるとしたら出版社にクレームが殺到して大変なことになるかもしれないが、江戸の人々は、そういう「逆さ」の酔狂 を楽しんだのかもしれない。

ちなみに、目にすることが多い、千円札裏の逆さ富士は本栖湖に映ったもの。

御坂峠のところの Googleマップ

葛飾北斎『 冨嶽三十六景 』一覧ページ





2011.05.13(金):

長谷川等伯の作品ページを新設

続いて、長谷川等伯。寺院所蔵が多いので美術館所蔵は多くありません。京都の本法寺は「宝物館」があるので、鑑賞の場があるということで掲載しました。


長谷川等伯の作品一覧ページ





2011.05.08(日):

オルセー美術館の動画作品紹介

オルセー美術館による動画での有名作品紹介が始まっています。


Manet, la carrière et le Salon - par Stéphane... 投稿者 musee-orsay

現在、マネ、ゴーギャン、ジェローム、館内紹介等、まだ、数は少ないようですが、今後、徐々に増えていくのでしょう。楽しみです。

こちらのページが一覧

ジェローム、映画ベンハーを見ているような、古代スペクタクルな情景が異様ですね。


  ※ オルセー美術館紹介ページ





2011.05.06(金):

観世音菩薩


不穏な日々なるも、萬能なる観音さまを思い浮かべて念ずれば、わずかなりとも難を避けられるやもしれません。

左は、おそらく、最もカラフルな観音さま。

木村武山 『 観音 』 1923 (T12)頃

講談社野間記念館




  雲雷鼓掣電  降雹じゅ大雨
  念彼観音力  応時得消散

  衆生被困厄  無量苦逼身
  観音妙智力  能救世間苦

  具足神通力  廣修智方便
  十方諸国土  無刹不現身


 観音経と並べてみると、また、感じが違ってきます ^^





2011.05.05(木):

尾形光琳の作品ページを新設

尾形光琳の作品一覧ページをアップしました。今回、42点。
光琳作品を図柄にした記念切手が数多く発行されていますが、今回は反映間に合わず。少しずつ掲載していきます。
尾形光琳: 群鶴図 左隻
   大サイズ/購入 オールポスターズ

 『 群鶴図 』 17C末~18C頭 フリーア美術館( スミソニアン博物館 )


日本の近世作品のデータを整理し始めて気づいたこと

制作年の特定が難しいものの明記されていないことが多い。「18世紀」とか「江戸期」とかだけで、これでは制作の経緯が把握できません。5年や10年の幅があったとしても、「○○年頃?」という形だとしても、制作年は規定されていくべきだと思います。

各所蔵美術館のデータベースが整備が弱い。トピックスのみ掲載であったり、解説も少ないです。作者名からの検索も出来ないことが多く、近代・現代もの以上に課題ありと感じます。

海外のファンへの情報発信には必要なはずですが、英語版の情報もマチマチ。


尾形光琳の作品一覧ページ





2011.05.03(火):

根津美術館の燕子花




この春、根津美術館には、尾形光琳作、メトロポリタン美術館蔵の『 八橋図 』が貸し出されて、根津美術館蔵の 『 燕子花図 』と共に展示される予定でした。

ところが震災の影響から貸出が1年延期となってしまい、代わりにコレクション展が開催されて、館蔵の国宝『 燕子花図 』が展示されています。

ということで、今回は楽しみ半分の訪館。1Fの古画鑑賞の後、2Fの青銅器や宝飾時計のコレクション趣味は我には分からぬと、あっさり通り過ぎた後で、予定以上に時間が余ってしまったので、青山の都会の中とは思えぬ広い庭に出て散策することにしました。

すると、池まで降りていくと、そこには本物の燕子花が咲いているではないですか!(上の写真)

これは嬉しいプレゼント。2度おいしかったです。メトロポリタンから来ていれば3度おいしかったのでしょうが、将来の期待にしましょ。

根津美術館・当展覧会のページ





2011.05.02(月):

長谷川等伯 『 日堯上人像 』のこと



  1572 (元亀3)年
  京都・本法寺
  97.5*49.0
  重要文化財

今、日経新聞朝刊に、安部龍太郎氏による連載小説「等伯」が掲載されている。数日前は、死の床にあった日堯上人という高僧を描くという内容であった。

出来上がった尊像に対面した上人本人が、これは 末那識(まなしき)にとらわれた姿であり、自らの悟りの限界を見破っていると、涙するシーンがある。

修業僧たるもの、その末那識を越えて 阿頼那識(あらやしき)まで進んで執着から離れて真如に至らなければならないのに、そこまで達してないというのである。

そして、その真意を解りかねる等伯自身もまた、その末那識の範囲にいると諭される。


果たして、その尊像がどれかというと、左の作品である。

齢30歳、病身で痩せておられるのだろうが、そもそも高度な知性と共に、とても繊細な神経をお持ちであったように見える。

もっとも、末那識すら届かぬ凡人には、そこまでなのだが、描写が、そこをまで表すものかと、今回、大変感動したのである。





2011.04.23(土):

石橋美術館 所蔵作品リストを更新

福岡久留米の石橋美術館所蔵作品リストを作品追加更新しました。

今、青木繁 展、開催中ですね。7月に東京に来るのが楽しみです。

再整理していて思い出したのですが、平野遼の作品に初めて会ったのは、この美術館でした。


  ※ 石橋美術館 日本洋画一覧





2011.04.21(木):

葛飾北斎: 諸国滝廻り

葛飾北斎、その2は、『 諸国滝廻り 』 全8作品。

国会議事堂そばに「溜池」という地名がありますが、ココには 1887(M20)年まで池があって、その堰を流れる滝があったとのこと。


  ※ 葛飾北斎: 諸国滝廻りの全8作品のページ、こちら





2011.04.17(日):

葛飾北斎: 冨嶽三十六景

未だおさまらぬ余震、改善の進展が見えぬ上に、この先長い年月の忍耐が強いられる原発事故対策。こういった先が見えない不穏な混乱期には必ず色んなことを言う人が出てくるのだが、それらを信じて行動するかしないかは自己判断だとしても、やはり、複数のアンテナを高くして多様な情報を収集することは大切だろう。もっとも、多分に疲れることは間違いない。

そういう空気の中、「美しい日本は、どうなってしまうのだろう。」と漠然と呆然と思っていたら、なぜか浮世絵等、江戸期の作品のことも調べてたくなった。このサイトでは、近世ものはパスして、現在ものへ徐々にシフトしていきたいと思っていたのだが、また、膨大な日本の近世ものの分類・整理が果たして個人で出来るのか不明だが、時間をかけて少しずつやってみようと思う。

という訳で、第一弾は、葛飾北斎の『 冨嶽三十六景 』。全46点の作品紹介だけでは、それは世の中にたくさんあるので、多少、独自のコメントを付与した。機会あれば、内容を追加していってみたい。

ところで、江戸期の浮世絵師たちは、ちょっと困った作品も残している。それが当時のサブカルチャーであったと認識するとしても、とても露骨すぎて、デフォルメすぎて、その人の作品だからとココで均等に扱うのは止めておきたい。Googleや ArtFinder等の検索でも出てくることがあるのだが、あえて紹介しない。

誰でも自由にアクセスできるインターネットというメディアにおいて、線を引くのも、大人たちの義務だと思う。

 36 Views of Mount Fuji, no. 18: Ejiri in the Suruga Province Allposters.co.jp
 『 駿州江尻 』 葛飾北斎:冨嶽三十六景のうち #18

現在の静岡県静岡市清水。「清水の次郎長」「ちびまる子ちゃん」の清水。
モネは風車で風を表現したが、この、北斎の突風の表現は素晴らしい!

  ※ 葛飾北斎: 冨嶽三十六景の全46作品のページ、こちら





2011.04.09(土):

第66回 春の院展 東京展

例年なら、桜が咲きだし春の院展が始まる頃は、暖かな春の訪れを感じてウキウキする時期なのだが、今年は、どうにも、そういう気分になれない。花見の宴会も自粛とあって、静かで悲しく不穏な春である。こんな春は、もう二度と起きないことを祈りたい。

さて、第66回 春の院展 東京展は、昨秋の再興院展が東京都美術館が改装工事中なために、同じ日本橋三越本店で開催されて、会場が狭いことから小サイズの作品に限られており、その意味で、同様の展示会が3回連続した感である。

震災と原発事故の状況が片時も頭から離れない中での鑑賞。水辺や船の作品は辛くて長くは観れなかったし、祈りの作品は、その祈りの深刻さが弱いように感じてしまった。

一方、のら猫が出ているような作品を見ると、「あ、これで大きな地震は来ないな」と安心してしまうのだった。 ほとんど、シンドローム状態 w


という中において、今回、、

しばらく足が止まった作品

  『 色葉、舞い積もる頃に 』  廣田 晴彦
  『 たゆたう 』  杉 佳子

  『 花と 』  井手 康人
  『 ショーウィンドー 』  近江 友紀子

すこし足が止まった作品

  『 調べ 』  並木 秀俊
  『 蜻蛉 』  澤村 志乃武

  『 素 』  宮廻 正明
  『 浄土の春 』  吉村 誠司

  『 あるがままに 』  竹田 ゆう子


  ※ 前回(再興第95回院展)の感想

  → 日本美術院のホームページ





2011.04.05(火):

「気になる美術展一覧」を更新

関東地区での美術展をまとめたページ、「気になる美術展一覧」を更新しました。パンフレットを入手したものは、その画像を貼りましたので、より視覚的に見やすくなったと思います。

しかし、案ずるは原発事故の行方。事態は一向に改善せず、悪くなるばかりで、海外の美術館が大事な大事な作品をリスクある地域への貸し出しを渋るのは無理からぬことです。

既に貸出禁止で展覧会中止になったものもありますが、それが今後長引かないか、既に予定されている今年の展示会の開催時間短縮ならまだしも、延期・中止の懸念と共に、これが数年に続くことになったりしたら悲劇です。

悲劇を通り越して怒りの境地ですが、放射能汚染おさまってくれと、日々祈るしかない事態に心落ち着きません。

  ※ 気になる美術展一覧





2011.04.01(金):

画家アクセス・ランキング

2010年10月から 2011年3月末までの、半年間における、画家別サイトへのアクセス数順位を集計した表を作成しました。

ピカソは、この半年、特に美術展があったわけでもないにも関わらず、相変わらず強いです。作品名単独だけでも知名度がありますから。

一方、前半期で好調だったナビ派の画家は、オルセー展が終わったことで、総じてダウンしてます。

  ※ 2010年10月~2011年3月 画家アクセス・ランキング




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