白隠展、行ってきました


いつも海外美術館からの企画展が開催される Bunkamuraにて江戸期の日本画展とは意外であり、さて、どんな趣向の展覧会になるのだろう? と期待して出かけました。

まず、会場に入ると、「『賛』がどうの」、という解説が続きます。「賛」って何? 誰かが絵を描いて、別の人が賛辞を送る「画賛」のことで、大抵、漢文なり、崩れた文字で書いてあるので、何やら判らないというのが一般です。

内容は判らなくとも、その名の通り、賛辞が送ってあるのでしょう。ところが、今回、初めて知ったのですが、画を描いた本人が書く場合もあるそうなのです。

ん? だとしたら自画自賛? いや、そうでは無くて、「画賛」とは必ずしも賛辞とは限らないらしいのです。

それで、会場の最初の部分で出てくるこの作品。

hakuin2012_1横向き半身達磨 』 永青文庫 (前期のみ展示)

画像が小さくなるので、画賛の部分を拡大して横に置きました。

コレ、会場の解説によると「どふ見ても」と書いてあるそうなのですが、しかし、ど~見ても、そう読めませんよねぇ。

会場で先に進んでは戻り、他の作品と解説を見ては戻りで、4~5回繰り返し観に行って、やっと判りました。これ、縦に左から右に書いてあるのです。真ん中が「見」の漢字のようです。

謎が解けた瞬間、「もう少し丁寧に解説してもらえれたら。。」と思ったのですが、それも禅問答の一部としての設計なのかもしれません。

さて、今回の展覧会でのイチオシは、この作品。

渡唐天神 』 選佛寺(京都)

hakuin2012_2なんと、「南無天満大自在天神」という9文字から各パーツが構成されており、最後に菩薩の顔が当てはめられているというものです。構図といい、大胆な筆さばきといい、文字が絵とが融合して一体化した宗教画。これは奇抜です。

などなどが続く、いろいろと趣向の凝った展示会、お勧めです。^^