すっかり、毎月の定点観測の記事ばかりになってしまいましたので、そろそろ、いわゆる「ブログ記事」も。ちゃんと書かないといけませんね。
ということで、、
1年以上前になると思いますが、ソロモン・グッゲンハイム美術館の画像データベースが改訂されたことによって、それまで画家ページでの作品ごとにリンクしていた美術館サイトへのページが切れてしまいました。
先日、再設定を完了したのですが、この、ソロモン・グッゲンハイム美術館のサイトでは、リンクが切れたことによって新作品別ページにリダイレクトはしてくれないものの、所蔵アーティスト作品一覧へはリダイレクトになっていました。それはそれで便利なページです。このホームページで紹介できる作品には限りがあり、世界の美術館には、まだまだ観たことが無い優れた作品の所蔵がたっくさんあるのですから、サイトを観ているだけでも楽しいものです。
これは、ある意味、もったいないことだと思っておりました。ですので、美術館のページのアーティスト別に、その一覧表ページへのリンクを設定することにしました。一度には対応出来ませんので、また、日々、少しずつ反映させていきますが、まずは、ニューヨーク近代美術館 と ソロモン・グッゲンハイム美術館 のページを完成させました。
> アンソール James Ensor ◆
> 『 聖アントニウスの苦難 』 1887 117.8*167.6
> Tribulations of Saint Anthony
このアーティスト名の右横の ◆印が、ニューヨーク近代美術館サイトのアンソール作品一覧ページへの直リンクです。
だいたい、どこの美術館のサイトも初期の作品から時系列で並んでいますので、初期のころの意外な作品に出会えたり、数多くの素描を観ていくこともできるでしょう。あまり知らない画家で日本に来たのが1作のみで、よく把握できなかったのが、データベース上で数十件まとめて観られたりすると、俄然、興味が沸いたりすることもあるでしょう。
現時点での各大手美術館の画像データベースは、一応、完成の域に来ていると思います。今後、テクノロジーの発達等により、何度もサイトの改訂が行われて高度化していくことでしょうが、作品画像の大きさや質も充実したものになりました。まだ、未掲載のデータもあるものの、登録作品数も、かなりカバーされて来ています。
インターネットによる美術作品の旅、ますます、広がりますね。
美術館もデパートも「お出かけ」ですが、首都圏では、やはり電車での移動が一番多いかと思います。
便利だけれども、複雑に連結し合った都会の鉄道網。便利なネットのツールがいくつも出ていますので、それらが使えますが、このサイト独自のコンテンツを作ってみようと思ったのが、このシリーズです。
美術館情報・展覧会情報・デパート物産展情報、それぞれのアクセスに近い駅情報とを組み合わせて使えるようにしました。
また、お出かけの際に、個人的には、ほぼ必ずと行って良いほど寄るのか本屋さん。各駅の近くにある大きめの書店を掲載し、それぞれ公式のページにリンクを貼りました。
とはいえ、鉄道路線はともかく複雑ですので、今回リリースのバージョン1は、まだ、JR山手線の半分+α までです。その他の線と駅は、これから少しずつ追加していきます。
→ 路線一覧のページ
去年(2012(H24)年)は古事記編纂 1300年でした。関連する書籍も多く出てましたね。
日本の絵画には「古事記」を扱った作品がいくつもありますので、それを「古事記」のストーリーと合わせて紹介するページを作りたいな、と前々から思っていたのですが、やっと完成しました。
こちらからご覧ください。 → 古事記の絵画
「気になる美術展一覧」で掲載している各展覧会情報、これ、単に見に来ていただくだけでは無く、自分のブログやホームページに掲載したいと思われる方がおられたら、どうぞご自由にお使いください、という意図から、タグをカット&ペーストするとパンフ画像と展覧会情報が表示される仕組みを作ってみました。
まずは、「ラファエロ展」で試行です。
次のページへ飛んでください。→ ブログに貼る: ラファエロ展
そのページにある「全テキスト選択」ボタンを押して、CTRL+C でコピーし、それをブログ(html編集できる画面)などに貼り付けてください。そうすると、次のような表示がされます。この前後に、鑑賞の感想などを書き加えられます。
ただ、アメブロなど、いくつかの大手ブログでは iframe が使えないようになっているので登録できません(裏技はあるようですが)。
少しずつ増やしてみて、また、切手の情報も、そう出来ないか検討してみようと思っています。
3年前に Google アートプロジェクトが開始され、歓迎はするものの、「高精度の画像でゴッホの筆の跡を見る人が何人いるんだろう?」という、どちらかというとネガティブな感想が先に立ったのですが、その後、日本の美術館も徐々に参加されて、少し、状況が変わってきたかと思います。
現在、日本で参加しているのは、次の 9の美術館
・国立西洋美術館
・東京国立博物館
・ブリヂストン美術館
・山種美術館
・サントリー美術館
・MOA美術館
・大阪市立美術館
・大原美術館
・足立美術館
これまでに、自サイトで所蔵作品の画像を積極的に公開されてきた館においては、大きな変わりでは無いですが、そうでなかった館での公開開始は意義が大きいでしょう。たとえば、山種美術館での 小林古径 の 『 清姫 』。8点の作品が全点掲載されています!
ただ、順番が把握しにくく、見に来た人は、どれがどれだか判らないのでは無いかと思えます。
美術館別 - 作家別 - 順番が判る作品別のインデックスが必要でしょう。
個別の作品を表示して、右側にマウスを持って来て「他の作品を見る」の「芸術家」をクリックすると、一覧に出ていない作品も登録されていることが判るようになっていますので、一覧よりも、たくさん登録されていることがあります。
あと、縦長の作品の場合、下の線がフッターの枠とひっついており、これはページ・デザイン的に、よろしくないですね。
作品詳細に日本語表記はあるものの、基本は英語。これも、日本国内での利用上は、どうかな? という感じです。
しかし、一番驚きなのは、足立美術館の取り組み。現在の現役画家たちの作品も、たくさん掲載されているのです。「Google を通せば、これもアリなの?」 というところですが、あれこれ難しい問題もあるのでしょうけれど、嬉しいですね。
さて、今後、どういう風に広がっていくでしょうか。楽しみです。
※ 館サイトに掲載されていない作品で、Google アートプロジェクトに登録される作品は、当サイト内の画家別ページの作品に ◆印でリンク設定をしていく予定です(現在、日本画は完)。合わせてご利用ください。
これまで、日本語版・英語版の同居型にしていたトップページを分割し、新たに 英語版のページ を立てました。英語版のページにはフェイスブックページ ” Art from Japan ” の窓を掲載しています。
SNS において言語の扱いは悩ましいところで、混在しても良いといえば良いのですが、あれこれ試行してみた結果、個人的には「混ぜない方が佳い」、との結論に達しました。ツイッター、フェイスブック、それぞれ2本ずつ立てて言語を分けて使うということも出来なくは無いのですが、さすがに、それらの更新までは手が回りませんし、混乱します。^^;
ですので、ツイッターは日本語で、フェイスブックは英語でという使い方を基本にしています。
あと、このブログの英語版をどうするか? という課題も残っているのですが、コメントという意味ではフェイスブックで十分であり、今どき個別のブログに投稿ということも無いだろうと思いますので、少なくとも当面は、日本語のみで良いだろうと考えています。
戦場カメラマンの祖:ロバート・キャパの恋人であったゲルダ・タローとキャパ、それぞれにに焦点を当てた2本立てからなる展覧会です。
ゲルダ・タローは、キャパと同じくユダヤ人であり、ナチスから逃れつつの決死の活動を行った人です。女性初の戦場における報道カメラマンとして実績をあげつつあったものの、スペイン内乱取材中に暴走戦車に轢かれて 26歳で死んでしまいます。
その後、キャパの影に隠れ歴史の中に埋もれてしまっていたのですが、今回、ICP 国際写真センター(キャパの弟であるコーネル・キャパ氏が、後に設立した団体)の企画によって、その功績を再評価するという意義ある展覧会になっています。昨今の戦場女性カメラマンたちの活動と重ねる合わせることになるでしょう。
また、そのスペイン内乱時に、タロー、キャパ、シーモアの3人によって撮影されたフィルムが入ったスーツケースが長らく行方不明となっていたものが、2007年に発見されてニュースとなった「メキシカン・スーツケース」。この中の作品からも2点が出品されています。
さて、この展覧会と同期して、丁度、NHKスペシャルにて沢木耕太郎氏によるレポルタージュ番組が放映されました。現地調査と共に、複数の写真をコンピュータ3D分析することにより、かの有名なこの写真 「崩れ落ちる兵士」が、銃で撃たれた瞬間を捉えたものでは無く、演習中に坂で一人「滑りこける瞬間」だという分析でありました。また、カメラ・フィルムのサイズから、それはタローの撮影だったのでは無いか、という指摘です。
タローの撮影であったか、キャパの撮影であったかは、たまたま2人がカメラを交換して撮影したかもしれず、真偽は知れないでしょう。ビートルズのジョン&ポールのように、たとえ別々の作詞作曲であっても、当初から共同作品という取り決めがあったのであれば、それは2人のどちらでも良いことになります。
しかし、世界中が銃弾で即死する瞬間と思っていた写真が、兵士が一人滑りこけた瞬間だとしたら、世界の歴史はみんなで勘違いしたことになってしまいます。
確かに、銃弾が兵士の体をぶち抜いた際には肉片が飛び散りそうなものの、体のどの部分にもそれは見られず、銃弾がどの方向から来たのかも判別できません。展覧会場にもありましたが、掲載された当時の雑誌は印刷の質が良くなく、銃弾の有り無しまでは判別できません。そもそも、デュフィの云う通り、人は、いつもいつも詳細を見ているわけではありませんが。
もっとも、当初、写真を送った2人に、そこまでの意図は無かったのかもしれません。現代のように被写体の一部をデジタル矯正することは出来なかった時代ですので、映っていた被写体自体を意図的に修正することは不可能でした。フランスの雑誌 『ヴュ』 に掲載される際に、説明文によって誇張させることになったのかもしれず、その後は、世の中が勝手に一人歩きしてしまったのでしょう。
人が滑りこける時、こんな転け方をするのだろうか? といった疑問もあるものの、カメラが写す瞬間は時に意外な形を見せるものであり、やはりNHK番組の分析の通り、事実は演習中の出来事であったように思えます。
横浜美術館と同様、キャパ作品を多く所蔵する東京富士美術館の 2006年発行図録「ロバート・キャパ - その生涯と作品」によると、過去に、この写真の真実性に関する論争が世界中でいくつもあったことの解説があります。また、この兵士=フェデリコ・ボレル・ガルシア氏は、この戦闘で戦死したとあります。
とはいえ、たとえ事実は彼が生き延びたのだとしても、50万人もの人が戦死したスペイン内戦。その戦闘の中で、軍服も着ていない市民兵が銃を持って戦場で倒れるという異常で悲惨な事実がその時実際に起きているということ、それを1枚の写真が代表して世界中に伝えたことは「真実」であったといえるでしょう。
そして、その後の報道写真の拡大につながっていたことは歴史であります。
2013. 1.26 – 3.24
at 横浜美術館
各画家の作品一覧に追加して「略歴」の記載を始めました。まずは、大観、清方、松園、御舟などから開始しました。
資料は比較的容易に入手できるからと独自にまとめようとすると、これが意外と難しい。
生い立ちや受賞などの記事は多いものの、特筆される作品が生まれた背景が分かるような「略歴」にしたいと思っているのですが、そこまで入れようとすると作品そのものの説明となり、1行ではまとまり切れなくなってしまいます。その時の時代背景も含めようとすると、それも字数オーバーになりがちなのです。
また、それぞれの資料を参照していると、簡潔にまとめようとされた結果か、時系列を読み間違いしてしまいそうな表記になっているようなケースも時々あり、複数の資料を比較検討してそれぞれ確認の上で整理することも必要です。
まずは 10行程度でまとめておりますが、適宜、追記改訂していきます。作品の把握に併せて、語録も含め、それが作成された時が、その画家の一生において、どういうフェーズにあったのか確認できるような、それぞれユニークなページにしていきたいと考えております。
「駿府」の「博物館」とあり、実は、当初、徳川家関連の博物館だろうか? と思っていたのですが、静岡新聞社・静岡放送の創設者であった 大石光之助 氏が昭和期に集めた絵画や政治家などの書等のコレクションです。
他館の企画展に作品が貸し出されることも少ないようですので所蔵品の全貌が掴みにくいかと思いますが、ココの所蔵である、伊東深水の『 吹雪 』が、去年秋の「国際文通週間」記念切手になったことで認知も高まったことでしょう。
下村観山や橋本雅邦、平福百穂の作品所蔵が豊富で、百穂の水墨画や中村岳陵の南画風の作品などは、他では、あまりお目にかかれないものであり、貴重ではないかと思います。
静岡新聞社の別館の中にあり、入り口は、あまり美術館ぽく無いのですが、静岡駅から歩いていける場所ですので、是非、どうぞ ^^
※ 駿府博物館ページ はこちら
明治12年、明治天皇が群臣たちの肖像写真を手元に置いておこうと下命されて作られた 4,531名もの名士が載った、39冊からなる分厚いアルバムです。
A-1に分類されるアルバムには写真と共に、本人の和歌も掲載してあるというユニークな作り。当時、華族に限らず政治家や軍人でも歌を詠むことは必須の教養であったのですね。
明治の初期なので写真の質が悪いのは仕方ありませんが、紙幣や歴史書に出てくる著名人の別の姿の写真であったり、初めて見る写真もあります。また、その後活躍する人の若き日の姿であったりして、これは楽しめます。貴重な資料でもあります。
この写真集、各人の顔を確認されるために使われたのか、もしくは後生に残しておこうと指示されたのかもしれません。同じ頃、脚気対策のために漢方医と西洋医に競って研究させる「脚気相撲」を指示されたりしてますので、明治天皇は企画人な方だったのかもしれません。
いつもはゆったり鑑賞の三の丸尚蔵館ですが、今回は結構、混んでました。図録も売り切れてしまったそうで、増刷待ちとのこと。
2013. 1.12 – 3.10
at 宮内庁三の丸尚蔵館(入館無料)
名古屋市内にある 古川美術館のページ を新たに立てました。
映画館のヘラルドグループの創業者であった古川為三郎氏による優れたコレクション。余所と比較して東海地方の日本画画家の作品を数多く有するのも特徴でしょう。あまり、所蔵作品が全国巡回の回顧展に貸し出されることは少ないようですので、訪館して鑑賞することが必要かと思います。
美術館の近くに為三郎記念館というのがあって、日本庭園をそなえた広い古い屋敷で、奥が喫茶室になっています。都会の喧噪からしばし離れて、一息つけるところですね。
気になるシリーズ、という訳では無いのですが、美術展やデパート物産展のスケジュールリストを作っていたら、妙に、お祭りのリストも作りたくなってしまったのでした。→ こちら
まだ、β版です。少しずつ追加していきます。
1年ほど前から全国各地の美術館を巡回して、東京の世田谷美術館での展覧会は最後の開催ですので、既にご覧になった方は多いのでしょう。
松本竣介の作品は、これまでにも神奈川県立近代美術館や大川美術館にて企画展が開催されることがあったので、正直のところ大まかな把握が出来ているものと思い込んでいたのでしたが、甘かったです。個人蔵の作品も数多く集め、油彩画・素描・スケッチを時系列に解説すると共に、関連する資料である雑誌や手紙なども揃えての、かなり充実の回顧展。
・複数の人物が登場する都会の風景画
・自己を主張する自画像
・静謐な空間にて何かを語りかけるかのような指の、人物画
・一人ぽつんと寂しげな姿が通るモノトーンの風景画
等々を経て、最後にキュビズム作品も制作していたとは! それは初めて知りました。
個人的には、やはり、指シリーズが一番印象的です。
そして、編纂されている展覧会図録が 400ページにも及ぶ分厚い超力作。2300円。
1/14日まで。世田谷美術館
Added a new English page of Francis Picabia.
Mr. Yokoo Tadanori is admiring Picabia, but there are few chance we can meet the artworks in Japan.
I added the new page of “John Singer Sargent” and “Yves Tanguy“.
There are very few artworks of Sargent, I only know one in Tokyo Fuji Art Museum.