クラーク・コレクション展


mitsubishi201302

いよいよ、期待大のクラーク・コレクションがやってきました。
目玉はなんと言っても、印象派。ルノワール。

ルノワールの作品は晩年の太った浴女シリーズか静物画以外は、デビューから生涯を通して画風の変化が少なく、どの時期のものか作成年を知らないと判らないことが多々あります。

その中でも、第1回印象派展の 1874年頃から 1880年代の、明るい肖像画作品が多いのが、このコレクションの特徴でしょう。『 うちわを持つ少女 』『 劇場の桟敷席(音楽会にて)』『 鳥と少女 』などなどと傑作が並びます。

clark_1若い娘の肖像(無邪気な少女)』のモデルは女優:アンリエット・アンリオ。国立ウェールズ美術館蔵で、第1回印象派展に出品された 『 パリジェンヌ 』と同じ頃のアンリオさんです。

おもしろいところでは、モネの『 日の出、印象 』に比して? の『 日没 』(1879 or 1881)。モネに先立つことの 『 ヴェネツィア 』(1881) は、1908年のモネのヴェネツィア・シリーズ作品とトーンが似ており、二人ともイタリアに同様の感覚を持ったかなと思いました。

さらには、モネ、シスレー、ピサロ 等々と、明るい光の印象派勢揃いです。堪能できます。

さて、ココでは少し趣向を変えた感想を。

まず、ジェローム作品が3点も展示。オルセーにあるようなスペクタクルもの ではありませんが、それでも「こんな歴史の状況ってあったの?」というような異様な世界の細密画です。映画かゲームにあるような、彼独特の不可思議な世界に引き込まれてしまいます。やはり、どこかでジェローム特集の一大企画展を開いてもらえないかな。一度、総まとめで鑑賞したいです。

個人的に新たな発見として、ボルディーニ。イタリア出身の画家。40*30 程度の小さな作品ですが、切れ切れの布を繋ぎ合わせたかのような服、そして風景もそれに合わせたトーンで表現された作品。このタッチはおもしろい。今後、トレースしてみたいと思います。

2013. 2. 9 – 2013. 5.26
at 三菱一号館美術館

 

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