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北斎:冨嶽三十六景
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日本画画家
葛飾北斎
美術展
葛飾北斎:冨嶽三十六景
かつしか ほくさい ふがくさんじゅうろっけい
1830-32 (天保01-03)頃 全46作品・横大判 版画(各約 25*37cm)
東は茨城,西は愛知の場所から,各地で見える富士山を配した36点の作品。好評につき,10点が「裏富士十景」として追加されている。当時の観光ガイドブックでもあっただろう。 摺りによって作品の色具合が大きく違っているが,やはり 空や水がグラデーションかかった色彩豊かなものが良い。
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神奈川沖浪裏
かながわおき なみうら #01
現在、神奈川県横浜市の本牧沖。新鮮な魚を早く運ぶために大人数で舟を漕いでいる様だろう。大波が「急げ急げ」というスピード感を引き立てている
凱風快晴
がいふう かいせい #02
山が夕陽を浴びて赤くなることはあるが,洋の東西を問わず,ここまで全面真っ赤に表現した作品は無かったであろう
山下白雨
さんか はくう #03
頂の下に雲を置き,その中で雷が鳴り響くという様。富士山の神秘性であり,絶対性
深川万年橋下
ふかがわ まんねんばし した #04
現在、東京都江東区常磐。小名木川が隅田川に合流する場所に架けられていた橋
東都駿台
とうと すんだい #05
現在、東京都千代田区神田駿河台。JR御茶ノ水駅の周辺。高台なので富士山もよく見えただろう
青山円座松
あおやま えんざのまつ #06
現在、東京都渋谷区神宮前。山のように見えるのが「円座の松」であり,ワタリウム美術館前の通りを国立競技場に向かって行く途中にある龍巌寺という禅寺にあった大きな松のこと
武州千住
ぶしゅう せんじゅ #07
現在、東京都足立区千住。千住宿は日光街道・奥州街道の第一宿。川の水門のところで釣りを楽しむ人々
武州玉川
ぶしゅう たまがわ #08
現在の東京都調布市あたりから見た多摩川。当然、富士山は、こんなに大きくは見えない
甲州犬目峠
こうしゅう いぬめ とうげ #09
現在、山梨県上野原市。地理的には中央自動車道の談合坂サービスエリアが近いが,そこからは,こんなにはっきりと富士山は見えない
尾州不二見原
びしゅう ふじみがはら #10
現在、愛知県名古屋市中区富士見町。 尾張からは遠く小さく見える山であり,
織田信長
も 武田家を討って帰還する際に,近場から見て感動したことだろう
東都淺艸本願寺
とうと あさくさ ほんがんじ #11
現在、東京都台東区西浅草。浅草・浅草寺の近く、今もあるお寺。浅草駅からここに向かって歩いていくと,この屋根が見えて来る
武陽佃島
ぶよう つくだじま #12
現在、東京都中央区佃。今は周りが埋め立てられ,そして高層マンションが何棟も立ち並ぶ,全くの別世界
相州七里浜
そうしゅう しちりがはま #13
現在、神奈川県鎌倉市。サーファーたちのビーチ。 この作品は,奥の雲が沸き立っているのと,そうなっていないのとの2種類があるようだ
相州梅沢左
そうしゅう うめざわの ひだり #14
現在、神奈川県中郡二宮町。大磯ロングビーチの近く
甲州石班沢
こうしゅう かじかざわ #15
現在、山梨県南巨摩郡鰍沢町。笛吹川と釜無川が合流し富士川となるところ
甲州三嶌越
こうしゅう みしまごえ #16
現在、山梨県南都留郡山中湖村。山中湖から御殿場へ抜ける峠である籠坂峠。さて,巨木の円周は何人分だったのだろう?
信州諏訪湖
しんしゅう すわこ #17
現在、長野県諏訪市。
ハーモ美術館
や
北澤美術館
などがある諏訪湖湖畔,昔は,こんな寒村だったのだろう
駿州江尻
すんしゅう えじり #18
現在、静岡県静岡市清水追分。強い風に紙などが吹き飛ばされる様の表現が すばらしい
遠江山中
とおとおみ さんちゅう #19
現在、静岡県,富士川の上流の山中。キレ味の悪そうなノコギリで材木をまっすぐに切っている大工たち。相当に時間掛かっただろうな
常州牛堀
じょうしゅう うしぼり #20
現在、茨城県潮来市牛堀。コメのとぎ汁を外に流している様からして,舟上で生活している家族なのだろう
江都駿河町三井見世略図
えど するがちょう みつい みせりゃくず #21
現在、東京都中央区日本橋室町。
三井記念美術館
のあたり
御厩川岸より両国橋夕陽見
おんやまがしより りょうごくばし せきようをみる #22
現在、東京都台東区駒形。御厩川岸は,現 厩橋 の少し上流の浅草側の場所にあった。この構図だと隅田川の対岸からでないとおかしいが,そう厳密な意味のタイトルでは無いのだろう
五百らかん寺さざゐどう
ごひゃくらかんじ さざいどう #23
現在の東京都墨田区大島の場所にあった。この寺は、その後、1908年に目黒の地に移転になった。今は,さざえ堂は無い
礫川雪ノ旦
こいしかわ ゆきの あした #24
現在、東京都文京区春日,後楽園・東京ドームの近く。「まぁ!よく降ったわねぇ」という情景
下目黒
しもめぐろ #25
現在、東京都目黒区下目黒。右下の人の肩に鷹が乗っていて鷹狩らしいが,落語「目黒のさんま」のように,近くで秋刀魚が焼かれているようでは無いようだ
穏田の水車
おんでんの すいしゃ #26
現在、東京都渋谷区神宮前の原宿駅周辺。
太田記念美術館
があるあたり
相州江の島
そうしゅう えのしま #27
現在、神奈川県藤沢市の江の島。昔の 江ノ島は 引き潮の時にしか歩いて渡れなかった
東海道江尻田子の浦略図
とうかいどう えじり たごのうら りゃくず #28
現在、静岡県富士市あたりの沖。舟の後ろが飛行機の尾翼のような,イカの耳のような形をしているが,それは別の舟が重なって見えているもの
東海道吉田
とうかいどう よしだ #29
現在の愛知県豊橋市にあった吉田宿は東海道五十三次 34番目の宿駅。
豊橋市美術博物館
に近いところ
上総ノ海路
かずさの かいろ #30
現在、千葉県沖の東京湾。今は木更津市と川崎市間を東京アクアラインで車で行き来できる
江戸日本橋
えど にほんばし #31
現在、東京都千代田区日本橋。昔の日本橋は明るかった。これを見るに,川幅も今より広かったようだ
墨田川関屋の里
すみだがわ せきやの さと #32
現在、東京都足立区千住。 帯刀した3人の武士が早馬で駆け出している様。全員,みかんのように丸い笠で,わざと頭を隠しているように描かれているのは,何か意図あり?
登戸浦
のぼと うら #33
現在、千葉県千葉市中央区登戸。 この地の登渡神社は明治の神仏分離令で,以前の登戸妙見寺が変わったものなので,鳥居は別神社のもの?もしくは神仏分離令前で寺院に鳥居があったのだろか?
相州箱根湖水
そうしゅう はこね こすい #34
現在、神奈川県足柄下郡箱根町。
成川美術館
のラウンジからも、こんな感じで芦ノ湖と富士山を望める
甲州三坂水面
こうしゅう みさか すいめん #35
現在、山梨県南都留郡。実際は写真の通り、この版画のようには見られない。左右・夏冬が逆の酔狂になっている
東海道程ヶ谷
とうかいどう ほどがや #36
現在、神奈川県横浜市保土ヶ谷区。街道沿いに,こういう杉並があったのだな
本所立川
ほんじょ たてかわ
#37/ 裏#01(#37~46は裏富士十景)
現在、東京都墨田区。今は川の上部を高速道路が覆っていて、全くもって風情が無い
従千住花街眺望ノ不二
せんじゅ かがいより ちょうぼうの ふじ #38/ 裏#02
現在、東京都足立区。向こうに見える家並みは吉原だという。国元へ帰る武士たちが見ているのは富士か吉原か
東海道品川御殿山ノ不二
とうかいどう しながわ ごてんやまの ふじ #39/ 裏#03
現在、東京都品川区。今は海岸線が先に延び,高層ビルが建って景色がまるで違うが,春には桜が咲き誇る。
相州仲原
そうしゅう なかはら #40/ 裏#04
現在、神奈川県平塚市。
平塚市美術館
の近く。富士山の手前にあるのは大山であり,修験者が大山詣でしているところ
甲州伊沢暁
こうしゅう いさわの あかつき #41/ 裏#05
現在、山梨県笛吹市。雀がチュンチュン鳴いている中,「さて,今日も次の宿場まで向かおうぞ」と出発し始めた大名行列か。早朝の雰囲気がよく出ている
身延川裏不二
みのぶがわ うらふじ #42/ 裏#06
現在、山梨県巨摩郡。身延川は富士川の別名。富士山が奇岩の一部になっている
駿州大野新田
すんしゅう おおの しんでん #43/ 裏#07
現在、静岡県富士市。一瞬,イノシシのように見えるのは葦の束であり,牛の背に積んで帰路についているところ
駿州片倉茶園ノ不二
すんしゅう かたくら ちゃえんの ふじ #44/ 裏#08
現在、静岡県の東部。”夏も近づく八十八夜♪” の5月初めの頃。もっとも,この歌は明治末の尋常小学唱歌なので時代は異なる
東海道金谷ノ不二
とうかいどう かなやの ふじ #45/ 裏#09
現在、静岡県島田市の大井川。幕府から橋を架けることも舟の利用も禁じられていた この川,肩車されてまでしての徒渡しは難儀であったであろう
諸人登山
しょじん とざん #46/ 裏#10
巡礼として富士山登拝を繰り返す富士講たち
この作品を所蔵する美術館
東京国立博物館
江戸東京博物館
すみだ北斎美術館
太田記念美術館
東京富士美術館
大田区立 龍子記念館
千葉市美術館
MOA美術館
山梨県立博物館
奈良県立美術館
和泉市 久保惣記念美術館
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メトロポリタン美術館
ボストン美術館
フィラデルフィア美術館
シカゴ美術館
ハーバード美術館
クリーブランド美術館
スミソニアン博物館
ミネアポリス美術館
大英博物館
フランス国立 ギメ東洋美術館
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