「ミン・ウォン展 私のなかの私」の感想


資生堂ギャラリーで開催されている「ミン・ウォン展 私のなかの私」に、昨日、行ってきました。

ミン・ウォン氏はベルリンを拠点に活動しているシンガポールのアーティスト。
地下の資生堂ギャラリーへ潜ると、日本の歌舞伎と小津映画とエヴァンゲリオン等のアニメを題材にした3種の映像作品がそれぞれ流されており、ミン・ウォン氏自身が映像の中で3役以上をこなしています。各役回りを別々に撮影した上で合成して共演しているように見せるという凝った作りになっています。

さらには、広いフロアの3壁面に、別アングルからの映像や撮影風景などが映像がすべて同期した形で流され、いわば、映像合成の種明かしもされているのです。

男のごつい体型で女性に扮した姿などなど、もう一度見たいか? というと、それは違うのですが、シリアスなテーマを選定しパロディの一歩手前で、このように日本という文化をリメイクしていることは、お見事でしょう。

総じて、その感想はというと、「参ったなぁ」というところですね。
「いや、違うんだけど、そんなことはしないんだけど、うむ、確かにそうです」と。

さて、ギャラリーに入るときには、ぽつぽつと降り始めていた雨。30分ほどの鑑賞を終えて地下から上がってきてみるや、外は激どしゃ降り! 雷もすごかった。

ミン・ウォン展 私のなかの私

資生堂ギャラリー
2013. 7. 6 – 2013. 9.22

プーシキン美術館展の感想


pushkin20132011年の春に開催予定でしたが、東日本大震災直後の混乱のため中止になってしまったので、もう無理かと思っていたプーシキン美術館展。幸い復活することになり、今年、名古屋を経て、ようやく横浜にやって来ました。当館の作品は 2005~06年にも来日しましたが、今回はオールドマスターの作品を含めた展覧会です。

まず、パンフの裏側に掲載されている アングル の 『 聖杯の前の聖母 』 1841。
聖母にしては、ちょっと色っぽいかな、という感じですが、さすが、アングル。春先のラファエロの聖母とも違った、絶妙な魅力を放っています。

嬉しいことに ジェローム の作品が1点。『 カンダウレス王 』 1859-60頃。
古代リュディアというところの王交代劇の発端となった一場面ですが、ストーリーを抜きにしても、ジェロームならではの、不遜か否かギリギリのエロチックな作品。

今回の展覧会の看板になっている、ルノワール の 『 ジャンヌ・サマリーの肖像 』 1877。画風の変化が少ないルノワールにおいて、なにか特定の作品を「最高傑作」と称すのは難しいと思うのですが - そう云うなら、先日のクラーク美術館展の作品も「最高傑作だらけ」になるでしょう - これもピンクの色彩が美しい良い作品であることには間違いありません。旧モロゾフ・コレクション。

さて、センスが尖っているのは、やはり、シチューキン・コレクションの作品群。

ピカソ扇子を持つ女 』 1909。『 女王イザボー 』の連作とも取れる緑色の、分析的キュビズム時代の作品。去年・今年と、ピカソ作品展示の美術展が少ない中、ピカソ・ファンには必見の作品でしょう。

セザンヌ パイプをくわえた男 』 1893-96頃。胴が長くて腕も長い作品。謎かけの多いセザンヌ先生の作品ですが、人物画だけは、その意図が読みづらいのです。今回、この作品の前で 20分ほど粘りましたが解けず。。

ゴーギャン エイアハ・オヒパ(働くなかれ)』 1896。『 浅瀬(逃走)』など、その後の毒気が増す前の、比較的、落ち着いた感のある作品。

マティスカラー、アイリス、ミモザ 』 1913。ラフな描写ながらも、色彩のバランスが、なんとも心地よい作品。シチューキン・コレクションのマティス作品は、エルミタージュ美術館へ行ったものが多いのですが、これは良い作品。

ところで、今回の展示会に同期したイベントとして、池田理代子さんによる3本の書き下ろしコミック がWeb上で公開されています。それぞれ期間限定での公開なので、見逃せません。7~9月の期間に公開されているのは「モスクワの悲劇」。中を見てみると、これはシチューキン氏の伝記であり、家族の自殺や病死といった度重なる悲劇に見舞われたことが知れます。そういう中で、彼の鑑識眼は異様に研ぎ澄まされていったのかもしれません。

図録:¥2,000   2,000円というのはありがたいです。図録なるもの、2,500円前後だと、ちょっと躊躇するも、まぁ仕方ないかと。3,000円近くになると結構躊躇。どーしよーかなーと悩みます。3,000円を超えると、もう断念してしまうことが多いです。

さて、プーシキン美術館の所蔵品、これですべてかというと、いえいえ、まだまだ。
例えば、モネ の 『 草上の昼食 』 1866 が、まだ来ていないでしょう。これは、オルセーにある有名な同名作品とは、また違った完成度があるようです。次の機会に来てくれないかなと、今から期待 ^^;

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プーシキン美術館展
横浜美術館  2013. 7. 6 – 9.16
神戸市立博物館  2013. 9.28 – 12. 8

プーシキン美術館のページ
気になる美術展一覧

 

東京国立博物館の平成24年度新収品展


東京国立博物館の平成24年度新収蔵作品リストを見ていたら、久世民榮という方の寄贈による、池玉瀾や谷文晁、狩野探幽などの展示があると出ています。
これら、先日、江戸東京博物館で開催中のファインバーグ・コレクション展で気になった人たちではないですか。これは観ておかないと。。

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池玉瀾 『 蘭図扇面 』
旦那の池大雅の作品が自由な南画調でありながらも、奥さんの池玉瀾の作品を観ると、大雅以上に、さらに自由な気分で筆が楽しげに踊っている感あります。こだわりの無い伸び伸びとした世界です。

狩野探幽 『 布袋図 』
縦に長~い軸の作品。
探幽の作風の幅の広さには、新たな作品に出逢うたびに、感動させられます。

新収品自体は、そう数は多くないので、続いて、1階へ降りて、近代絵画の 18室へ。
前田青邨の『 唐獅子 』が展示されていまして、個人蔵であり初めて見ました。六曲一双の金屏風で、これ自体完成作品のようですが、解説を読むと、その後、皇室へ献納された作品(また、静嘉堂文庫美術館にある作品)よりも先の制作とのこと。つまり、完成型に至る過程としての作品でしょう。

ところで、東京国立博物館のショップは以前は地下にありましたが、1Fに移動したのですね。入り口左手の広いフロアです。ショップを一周して、「あれ? 書籍が置いてない」と気づいて店員さんに尋ねるに、後ろを振り返って見上げた中二階が書籍フロアになっているのでした。長いスロープを上っていくのですが、そのスロープの脇も全部書棚になっていました。
それを見ていくと、全国のいろんな美術館の図録も置いてあります。中には行きたくて行けなかった過去展の書籍もあって、これは助かります。今後、利用させていただきます。

鏑木清方記念美術館「初夏の風情」展


前回の「清方、美人画の巨匠へ」展に続き、木原文庫というところから出展されている初見の作品を期待に、先日、雨の中、訪問。

『 合歓 』 昭和10年代後半   120.0*27.5
『 合歓の花 』 1929 (S04)   144.0*51.0
『 夕潮 』 不明   115.0*36.0
『 初夏の雨 』 1935 (S10)頃   48.0*58.0
『 吉野山(『苦楽』表紙絵原画)』 1948 (S23)   27.9*26.6
『 戻橋の小百合(芝居十二ヶ月の内)』(『新演藝』口絵原画) 1917 (T06)   34.3*24.0
『 夏の朝(秋のおとづれ)』 1915 (T04)   34.0*17.7
『 明治風俗 すゞみ舟 』 1940 (S15)頃   40.0*50.5

夏の朝(秋のおとづれ)』 は薄いトーンの小さな軸装ですが、とても情緒のある作品。良い作品ですねー。

窓口で木原文庫のこと尋ねてみたのですが、「個人の方」とだけしか教えてもらえませんでした。検索してみても出てこないので、継続の宿題ですね。どなたかご存じの方おられたら教えてください。

なお、今回、サントリー美術館所蔵の 『 春雪 』 本画と共に、その下絵が並べて展示してありました。これも、めったにない機会でしょう。

パンフ画像は前回のブログに掲載 しております。

「初夏の風情 - 随筆 『 こしかたの記 』 とともに -」
5.25 – 6.30

鏑木清方 作品一覧ページ

 

「貴婦人と一角獣展」の感想


unicorn展示会場に入るや、大っきい! 会場も広い!

1つで縦横3メートルもあるタピスリーが 6枚も円形に並びます。
また、国立新美術館で、こんな広いスペースが取れるんだぁ、と思いました。

「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」 と五感を表す作品。それぞれの内容は、貴婦人の動きを真似る「猿」の動作がヒントになっているとのこと。サイズの大きさと共に、2012年に修復されたそうですが、1500年頃という 500年以上も前に作成されたものであり、とても美しい作品です。

そして、6枚目のタピスリーが何か別の「感」を表したものとは限らず、タピスリー内に記載された(織り込まれた)「我が唯一の望み」というテキストが謎を呼んでいること、それが全体の魅力をさらに高めているでしょう。

それは、人それぞれ、いろんな解釈ができるのでしょうが、個人的には、実際に6枚を通して観た際に、これは「若さ」かと感じました。
「触覚」「味覚」では、貴婦人ははつらつとした姿。「嗅覚」「聴覚」では、多分に退屈やアンニュイな感じ。そして「視覚」では悲しみの表情に見えました。

どういう状況にあろうとも、一角獣と獅子が側にいて守ってくれるということでしょう。そして、最後に「いつまでも若く・夫婦仲良く」という風に感じた訳です。

さて、みなさんは、どのように感じられたでしょうか?

ところで、今、アメリカのニューヨークのメトロポリタン美術館でも、クロイスター分館に所蔵されている「一角獣タピスリー」の展覧会 が開催されています(5/15 – 8/18)。これも、この、フランス・クリュニー中世美術館から来ている作品と同じ作者(工房)によるもので、つまり、一連の作品と言えます。

 

貴婦人と一角獣展

国立新美術館
2013. 4.24 – 7.15

国立国際美術館
2013. 7.27 – 10.20

図録:2,000円

ファインバーグ・コレクション展の感想


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まず、前期・後期で展示入替えがあります。会場の最初に配布されている出展リストを見ると、のべ出展数 96点中、前期のみ出展が 31点、後期のみが 27点となっており、結構な入れ替えがあることが判ります。

江戸期の幅広い作品が出展されており、パンフレットの宣伝文句通り「オールスター百花繚乱」で、それぞれに楽しめます。いくつか挙げますと、、

一番最初は
俵屋宗達虎図
ネコトラ。江戸期の作品にある、当時の日本人が見たことが無いことによる、猫のような虎です。

次のルームに進んでびっくり。次の12幅が、ずらりと並んでいるではありませんか!
酒井抱一一二ヶ月花鳥図
抱一は何点か、この種の作品を描いており、宮内庁三の丸尚蔵館、出光美術館、畠山美術館、香雪美術館にもありますけれど、それらのどれにも引けをとらない秀作。
酒井家の菩提寺であった前橋市の海龍院に伝来したものだそうで、明治初期にアメリカに渡っていたのか、近年、日本の画商から取得されたのか知れませんが、よく入手されたなぁ、というのが正直な感想。

鈴木其一群鶴図屏風
上記、図録の表紙になっている作品。光琳の群鶴ともまた違う、鶴。

神坂雪佳三保松原図小襖 』(前期のみ)
床の間にあった小襖でしょう。こういう襖があったら楽しいな。

池大雅孟嘉落帽・東坡載笠図屏風
大胆な人物画であり歴史画。こういう自由な文人画もあるのだな、と面白いです。

池玉瀾風竹図扇面
池大雅の奥さん。団扇用の小さな作品ですが、装飾である風に吹かれる竹の葉と詩歌の文字とのバランスが最高です。

中村竹洞四季花鳥図
落ち着いた色。鳥の顔の表情もやさしくて良いです。

谷文晁秋夜名月図
赤いドでかい印章を押してある奇抜な作品。谷文晁おもしろいなぁ。7月にサントリー美術館で開催される「谷文晁 展」に、俄然、行きたくなりました。

円山応挙鯉亀図風炉先屏風 』 (前期のみ?)
後ろから光を当てると、屏風の背面の絹本に描かれた水紋が表に浮き出る凝った作りになっているとのこと。会場でも背面から光を当ててあればよかったのですが。。

伊藤若冲 菊図
これは三幅対。内一幅は国内のプライベートコレクションなのですが、今回、特別に出展されていて、完成版として鑑賞できます。この機会は、もう無いでしょう。

伊藤若冲松図
荒々しい松。とげが刺さりそうな感じ。一気に描かれたもので、若冲は当時 81歳。すごくエネルギッシュです。

曾我蕭白宇治川合戦図屏風
平家物語の一シーン。蕭白にしては、かなり、カラフル。

磯田湖龍斎松風村雨図
白黒のモノトーンで、部分的に少しだけ、うっすらと金泥や紅色が使われた浮世絵の立ち姿図。こういうのを「紅嫌いの手法」というそうです。しかも三幅対。珍しい表現で、新鮮でした。

最後に、葛飾北斎源頼政の鵺退治図
これも平家物語の一シーン。幅全体が、「鵺」が現れて来そうな、そんな雰囲気の仕上がりです。

などなど、これは後期のみの 27点も、とても楽しみです。^^

ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡
江戸東京博物館
5/21 – 7/15

MIHO MUSEUM
7/20 – 8/18

鳥取県立博物館
10/5 – 11/10

図録: 2,500円

五島美術館「近代の日本画展」


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予告でお知らせした通り、ココの近代日本画の所蔵品は数年に一度しか展示されませんし、外の企画展に貸し出しされることも少ないので、所蔵品とはいえ、性質的には企画展に近い感じがします。そういう貴重な今回の機会、個人的には、昨年秋に改装されてから初の訪館です。

展示フロアが広がったのかな、と思っていたのですが、基本は従来通り「第一展示室」がメインで、広さも変わってないように感じました。
「第二展示室」が少し広くなって、展示ルームになったようです。その「第二展示室」では、今回、横山大観の山づくしで、『 霊峰四題の内 』の春・夏・秋・冬4作がすべて展示されていました。

イチ押しの、小茂田青樹の『 緑雨 』は、背景や雨粒までもが新緑に染まった梅雨の一シーン。青樹、トノサマガエルと「友情」状態にあるみたいです。^^

さて、期待しておりました、所蔵の多い金島桂華作品は、『 晨光 』の1点のみが出展。新たな図録は発行されていませんでしたが、研究が進んだ模様で、何点かは制作年が明確になっていました。

また、今回、上村松園の『 清少納言図 』を一番期待していたのですが、これは出ていませんでした。今後、近代日本画の展示機会が増えて、その際に会えますこと、楽しみにしてます。

五島美術館「近代の日本画展」
2013. 5.11 – 6.16

五島美術館の日本画一覧ページ

「アントニオ・ロペス」展の感想


今年1月に 期待の予告 を出しておりました「アントニオ・ロペス」展、開始から少し遅れましたが、鑑賞してきました。

リアリズム絵画というと、文字通り非常に細密に描かれた、光の反射の多い作品を思い浮かべがちですが、この方の作品は、むしろ細部は荒いタッチの積み重ねでありながら、全体としてはリアリティあることに驚かされます。

なので、風景画は燦々と陽の光が輝くスペインでは無く、どちらかというと曇天の感じの、どれもが乾いた静かなマドリードの広い風景です。

室内画も静謐な無音の世界であり、その点ではワイエスに近い感があるのですが、ワイエスのように濡れているのではなく、ここでも、やはり乾いている感じでした。

そういう独特の世界の絵画作品に感動しながら鑑賞していくと、最後のルームに人体ブロンズなどが展示されていました。その中に、茶色の赤ん坊の頭部の石膏像が。

生まれて数週間の、まだ目が開く前の、触るとふにゃっと柔らかそうな、今にも歯の無いちっちゃな口を開けてあくびでもしそうな、そんなリアリティ高い赤ん坊の頭部です。
大事に・大切にしなきゃ、といった、やさしい気持ちに包まれるでしょう。

現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス 展
Bunkamura ザ・ミュージアム
2013. 4.27 – 6.16
図録: 2,500円

長崎県美術館
6.29 – 8.25

岩手県立美術館
9. 7 – 10.27

再び、木原文庫所蔵の鏑木清方作品


鎌倉の鏑木清方記念美術館で開催中の「清方、美人画の巨匠へ」展、パンフの裏面に掲載してあった4点の木原文庫所蔵作品が、展示してありました。オーソドックスな清方美人画の佳い作品です。

『 花いはら 』 大正末期   126.0*41.0
『 鏡獅子 』 1934 (S09)   127.5*41.0
『 道成寺 』 1938 (S13)   124.0*36.0
『 重陽佳節 』 不明   129.0*41.5

また、パンフの表面の作品は双幅でした。(読みは「あさすず」ではなくて「ちょうりょう」です)
『 朝涼 』 1918 (T07)  個人蔵   各145.5*50.5

先のブログで記載しましたように、木原文庫ってどこにあるんだろう? という疑問は解決していませんが、この4点だけが特別に出展されたのだと思ってました。

次回展覧会「初夏の風情 - 随筆 『 こしかたの記 』 とともに -」の予告をHPを見るに、これは、サントリー美術館所蔵の秀作が貸し出されて、清方記念美術館所蔵作品と共に構成されるのだろうと予測していたのです。

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ところがパンフを手にすると、その裏面に、またまた8点もの木原文庫所蔵作品が出展されるとあります。

わー! 全部、初見。今から、わくわくします。^^

「清方、美人画の巨匠へ」
4.19 – 5.22

「初夏の風情 - 随筆 『 こしかたの記 』 とともに -」
5.25 – 6.30

鏑木清方 作品一覧ページ

大倉コレクションの精華Ⅰ 酒井抱一の『 五節句図 』


大倉集古館の江戸期絵画は、数年の期間を空けてで無いと展示されませんので、年間のスケジュールはよくチェックする必要があります。

今回の展示会の後期で、酒井抱一の 『 五節句図 』 が出るとあり、前々から観たい観たいと思ってましたので、やっとのこと会えました。

五節句: 小朝拝(1月1日)・曲水宴(3月3日)・菖蒲臺(5月5日)・乞巧奠(7月7日)・重陽宴(9月9日)それぞれを1幅ずつ描いた5幅からなる連作。

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小朝拝を真ん中に、次に、その右に曲水宴、左に菖蒲臺、一番右に乞巧奠、一番左に重陽宴という順で並びます。ですので、上の画像では、左から次の順になっています。

重陽宴 - 菖蒲臺 - 小朝拝 - 曲水宴 - 乞巧奠

少し色落ちの感はあるものの、抱一らしい落ち着いたトーンの、鮮やかな作品で、抱一、晩年の作です。

また、宗達派の『 扇面流図 』も出ていました。こちらもお勧め ^^

at 大倉集古館  定休: 月   ¥ 800
前期: 4/6- 5/6 | 後期: 5/8- 5/26

酒井抱一 作品一覧ページ

ヒルマ AF クリント展の解説動画


以前紹介しました、スウェーデンの女性前衛抽象画家:ヒルマ AF クリントのストックホルム近代美術館での展覧会、その後、館のキュレーターさんによる解説動画が YouTubeに掲載されていますので、ココにアップします。

1世紀前なので小さい作品かと思っていたのですが、2メートル四方以上の大きなサイズの作品が多いこともで発見できます。また、カンディンスキー、モンドリアン、マレーヴィチらと同時期では無く、彼らよりも先に抽象画を発見した人でした。

動画の中に、「レントゲンの発見により、それまで知ることが出来なかった皮膚の下を見ることが出来るようになったことが大きい」という解説があります。フランシス・ベーコン展でも、彼が同様にX線で知れるようになった世界の影響があるという説明がありましたが、当時のアーティストたちにとって、見えなかったものが見えるようになったというインパクトは、とても大きかったのですね。

なお、動画については、展覧会開始早々、現地のメディアが流しているのがあったことに気づいてはいたのですが、サーバー非力で途中で何度も止まってばかりでしたので、その時は紹介を控えました。さすが、YouTube。配信は安定しています。

木原文庫所蔵の鏑木清方作品


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現在、鎌倉の鏑木清方記念美術館では「清方、美人画の巨匠へ」という展覧会が開催中ですが、いつもは他の美術館によく置いてあるパンフレットが「今回は無いなぁ」、と思っていたら、ようやっと大倉集古館で見つけました。

やはり、紙のパンフの画像や文字を見て初めて気づくということがあるもので、裏面を見たら、木原文庫所蔵の清方作品がいくつも出展されているとのこと(HPにも掲載されていたものの、その後で気づく)。

これはヤバイ、観たことが無い! 行かなければ! でも、5/22まで。さて、何時、鎌倉まで行けるかが問題です。 ^^;

清方、美人画の巨匠へ
at 鏑木清方記念美術館
2013. 4.19 – 5.22

鏑木清方 作品一覧ページ

暮らしと美術と髙島屋 展


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「たかしまや ART WALKING」の一つが世田谷美術館で開催されている「暮らしと美術と髙島屋 展」。

世田谷美術館の企画趣旨は、企業と美術の関連に焦点を当てたものだそうですが、しかし、その社会学的なアプローチの考察は、おいおい、他のデパートの活動や都市学などと共に、そういう興味が沸く時を待つことにして、^^; 個人的には、髙島屋史料館のコレクションを知ることが今回の一番です。

出展作品の中でのイチ押しは、コレ。

横浜髙島屋と日本橋髙島屋と、それぞれに開催の「美の競演 京都画壇と神坂雪佳」展では、細見美術館と京都市美術館の神坂雪佳作品が数多く出展されていますが、この展覧会でも1点出ていました。

飯田家四代目飯田新七還暦祝画帖」という、竹内栖鳳や菊池契月らを含め当時の著名な日本画画家による作品の祝賀画帳があり、これに、神坂雪佳の『 松葉掻 』 1918 (T07)頃 という作品が含まれています。これも、「ゆるい」、良い作品です。

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前・後期で作品入れ替えがあるのですが、日本画は結構な割合入れ替えされるそうで、その雪佳の作品も前期のみ(4/20- 5/19)展示です。

さて、先日、ニューオータニ美術館で開催中の 「ジャパンビューティ 描かれた日本美人」展の感想 で九條武子夫人のこと、彼女がモデルをしていたことを書きましたが、髙島屋でモデルになっているポスター作品が出ていました。

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写真や松園作品のモデルでの表情とも、また異なりますが、意外なところで連続してつながっていましたね。

あと、世田谷美術館だけでなく、玉川髙島屋で開催の「日本美術の輝き」展(4/24 – 5/12)でも髙島屋史料館の所蔵作品が出展されていますので、併せて鑑賞されると良いと思います(無料)。

at 世田谷美術館
前期:4/20- 5/19 | 後期: 5/21- 6/23
図録 ¥ 2,400

ラファエロ展の感想


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「2度と日本では会えない」というのは、大型企画展でよく使われる常套文句ですが、その実、数年前に個別作品が来日していたり、また、数年後にまた来たりするということがあります。しかし、このラファエロ展が日本で実現することは、今後、数十年単位で、まず無いでしょう。

そういう貴重なラファエロ展の感想です。
といっても、毎日新聞に高階秀爾氏が展評を載せられています ので、こちらをご参照ください。それ以外のこと、恐れ多くて何も書けません。^^;;

一つだけ感想はといいいますと、当時、ラファエロが作成していた作品は宮廷の装飾などが主であったため、一般の人には鑑賞できませんでした。そのため、工房で多くの職人を使って各作品を版画にし一般市民も鑑賞できるようにしていたそうです。16世紀初頭、既に、そういう美術出版の走りがあったのですね。その版画も、今回、展示されています。

上記写真は、国立西洋美術館の外観です。写真を撮る時、とてもたくさんの人が館前を歩いていたのですが、撮ってみたら誰も写っていないのでした。マリア様が、人払いされたのかもしれません。まさか、そんなことは。。と思うのですが、不思議です。

ラファエロ展
at 国立西洋美術館
2013. 3. 2 – 6. 2
図録:¥ 2,800

その他、展覧会情報一覧ページ

「美の競演 京都画壇と神坂雪佳」展、行ってきました


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東京日本橋で始まるまで待てないので、開始早々に、横浜髙島屋へ。

全体の構成は全72点中31点が神坂雪佳作品。その意味では、展覧会名は「京都画壇と神坂雪佳」というよりは、「神坂雪佳と京都画壇」の方が適していたのでは無いかと思います。

去年、そごう美術館で開催された細見美術館展以上に、神坂雪佳の作品が細見美術館から、また、京都市美術展等からも出ていました。^^

十二ヶ月草花図 』 細見美術館  が全点展示
百々世草 』 細見美術館  は3面のみ(もっと観たかったな)

杜若図屏風 』 個人蔵
尾形光琳の『 燕子花図 』(現在、根津美術館で展示中)を踏襲するもの。光琳のが、分厚い座布団に座って高価な着物を着て大名気分で描いた作品なら、雪佳のは、ゆかた姿で、ひょいと描いたかのような、ともかく肩の力を抜いた作品といえるかと思います。

軽舟図 』 1915 (T04)頃  京都市美術館
さらっと描かれた船頭さんの絵。ゆるくて良いです。^^

横浜展と東京展、まったく同じ出展かと思ってたのですが、次の2点だけは東京展のみとのこと。
『 絵になる最初 』 竹内栖鳳
『 ピアノ 』 中村大三郎

美の競演 京都画壇と神坂雪佳
at 横浜髙島屋ギャラリー8F
2013. 4.24 – 5. 6

at 日本橋髙島屋8Fホール
2013. 5.29 – 6.10

図録: 1,800円