山門をくぐって急な石段を 100段以上あがった先の丘の上に静かな観音堂がある。お堂の裏で奥の院岩殿観音さまにもお参りできる。また,堂の横には泉鏡花が寄進した小さな池がある。
源頼朝が
石橋山の戦い
で敗れた際,このお寺の観音さまが船頭に姿を変えて海を渡って千葉まで逃がしたという。まさに
「
或被悪人逐 墮落金剛山 念彼観音力 不能損一毛
」といったことを身をもって体験したのである。頼朝は鎌倉幕府を開いた後,毎月欠かさず,このお寺を参詣した。感謝を告げると共に,観音さまの威神力を信じて礼拜供養を続けたのだろう。