「安養院」は北条政子の法名。もともと,この地には浄土宗の「善導寺」があった。別の場所に北条政子が源頼朝の菩提を弔うために創建した「長楽寺」があったが,
1333(元弘元)年に焼失したため,この場所に再建されて「安養院長楽寺」となった。しかし,江戸時代の 1680(延宝8)年に全焼してしまったため,千手観音がある「田代寺」
(1192(建久3)年に 田代信綱 が建立)
を移設することで「祇園山安養院田代寺」となった。
その複雑な経緯には,少し,おどろしい感もあるが,いつの時代も
「
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
」の願いは同じであったろう。