ホーム   >   物語と絵画   > 蘭亭序 その2  
logo

気になるアート.com 「物語と絵画シリーズ」

「 蘭亭序 」 と絵画: その2


王羲之「 蘭亭序 」その2と絵画を紹介するページです。
タブの切替えで「読みがな付き」「送りがな付き」「返り点付き」「白文」それぞれの表示ができます。




その1 その3

訳文:
目を遊ばしめ(景観良く)懐ひ(思い)を騁する(馳せる)所以にして、
以て視聴の娯しみを極むるに足れり。信に(真に)楽しむべきなり。
夫れ、人の相與(お互い)に一世に(一生に)俯仰するや(立ち振る舞うや)、
或いは(ある人は)、諸を(多くを)懐抱に取りて(心に抱いて)一室の内に(室内で)悟言し(議論し)、
或いは(ある人は)、寄せて託する所に因りて(好むところに従い)、形骸の外に(形式にとらわれず)放浪す(振る舞う)。
趣舎萬殊にして(生き方は様々であり)、静躁(静と動は)同じからずと雖も、其の遇ふ所(それぞれの信ずるところ)を欣び(喜び)、
蹔く(暫時)己に得るに當たりては(自分の意に叶っていれば)、怏然(心地よく)として自ら足り(満足し)、
老の将に至らんとするを(老いが忍び寄っているのも)知らず。其の之く所(今まで意に叶ってきた事)既に惓み(倦怠感が生まれ)、情は
事に随ひて遷るに及びては(別の事に従うようになると)、感慨、之(その他の事)に係われり。向の欣ぶ所は(過去の栄光は)、
俛仰の閒に(ほんの短い時間の中で)、以に(既に)陳迹(過去のもの)と為るも、猶ほ、
之(過去の栄光)を以て懐ひを興さざる(感慨を興さない)能はず(ことは出来ない)。

読み下し文:
目を遊ばしめ懐ひを騁する所以にして、以て視聴の娯しみを極むるに足れり。
信に楽しむべきなり。夫れ、人の相與に一世に俯仰するや、
或いは、諸を懐抱に取りて一室の内に悟言し、
或いは、寄せて託する所に因りて、形骸の外に放浪す。
趣舎萬殊にして、静躁同じからずと雖も、其の遇ふ所を欣び、
蹔く己に得るに當たりては、怏然として自ら足り、
老の将に至らんとするを知らず。其の之く所既に惓み、情は
事に随ひて遷るに及びては、感慨、之に係われり。向の欣ぶ所は、
俛仰の閒に、以に陳迹と為るも、猶ほ、
之を以て懐ひを興さざる能はず。

白文:
所以遊目騁懷足以極視聽之
娯信可樂也夫人之相與俯仰
一世或取諸懷抱悟言一室之内
或因寄所託放浪形骸之外雖
趣舎萬殊靜躁不同當其欣
於所遇蹔得於己怏然自足不
知老之將至及其所之既惓情
隨事遷感慨係之矣向之所
欣俛仰之閒以爲陳迹猶不
能不以之興懷況脩短隨化終