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「 長恨歌 」 と絵画: 第十四段


白居易「 長恨歌 」第十四段と絵画を紹介するページです。
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訳文:
方士との別れに際して、重ねて丁重に言葉を託しました。
言葉の中に、帝と楊貴妃だけが知る言葉がありました。
それは、七月七日の長生殿、
誰もいない夜中に二人で語り合った言葉でした。
「天にあっては、願わくば、比翼(雄雌一体)の鳥となり、
 地にあっては、願わくば、連理(根は異なるが上は一体)
 の枝となりましょうね」
天は長く、地は久しくとも、いつかは尽きる時があります。
しかし、この二人の悲しみは、綿々といつまでも尽きることは無いのでございましょう。

鈴木春信:玄宗皇帝楊貴妃図
鈴木春信『 玄宗皇帝楊貴妃図 』 
MOA美術館

読み下し文:
別れに臨んで、殷勤に重ねて詞を寄す
詞中に誓ひ有り、両心のみ知る
七月七日、長生殿
夜半人無く、私語の時
天に在りては、願はくは比翼の鳥と作り
地に在りては、願はくは連理の枝と為らんと
天は長く地は久しきも、時有りて盡きん
此の恨み綿綿として、盡くる期無からん

白文:
臨別殷勤重寄詞
詞中有誓両心知
七月七日長生殿
夜半無人私語時
在天願作比翼鳥
在地願為連理枝
天長地久有時盡
此恨綿綿無盡期


更新情報
 - Ver. 1.0: 2016年 4月17日 公開
 - Ver. 1.1: 2017年 11月12日 狩野山雪 「長恨歌画巻」の作品を追加掲載
 - Ver. 1.2: 2017年 11月14日
  小林古径『 楊貴妃 』 は、能において第十二段で九華帳から出てくる場面ということが判り掲載場所を変更