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「 長恨歌 」 と絵画: 第二段


白居易「 長恨歌 」第二段と絵画を紹介するページです。
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訳文:
春まだ寒く、娘は華清の池(温泉)に湯浴みを賜わりました。
温泉の水は滑らかで、凝脂(きめ細かい潤いのある肌)を洗います。
侍児(お付きの者)が助け起こすも、なよっとして力がありません。
これは、初めて恩沢(帝の寵愛)を受けた頃のことであります。
雲鬢(雲のように結い上げた髪)・花顔(花のかんばせ)・金歩揺(歩くたびに揺れる金の髪飾り)。
ベッドの芙蓉の帳は暖かく、その中で春の宵が過ぎて行きます。
春の宵はとても短かく、日が高くなって起きあがられる。
これ以降、帝は早朝の政務を行われなくなってしまいました。

読み下し文:
春寒くして浴を賜ふ、華清の池
温泉、水滑らかにして凝脂を洗ふ
侍児扶け起こすも、嬌として力無し
始て是れ新たに恩沢を承けし時
雲鬢・花顔・金歩揺
芙蓉の帳は暖かくして春宵を度る
春宵苦だ短くて、日高くして起く
此れ従り、君王、早朝せず

白文:
春寒賜浴華清池
温泉水滑洗凝脂
侍児扶起嬌無力
始是新承恩沢時
雲鬢花顔金歩揺
芙蓉帳暖度春宵
春宵苦短日高起
従此君王不早朝
筆谷等観:春寒賜浴
筆谷等観春寒賜浴

 1924 (T13) 
 北海道立近代美術館



中村岳陵『 貴妃賜浴 』

1927 (S02) 
 豊橋市美術博物館


中村不折『 華清池 』

1925 (T14) 
 東京国立近代美術館