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「 長恨歌 」 と絵画: 第十三段


白居易「 長恨歌 」第十三段と絵画を紹介するページです。
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訳文:
想いを込めて、凝睇(じっと見つめ)、帝に謝辞を述べました。
「お別れしてから、帝の音容(お声もお姿)も共に渺茫たり
 (ぼんやりとしか見えません)。
 昭陽殿での恩愛も断ち切られ、
 蓬萊宮(仙山の一つ)の中に、長き月日を送っております。
 帝を思い、頭をめぐらせて、はるか人寰(人間界)を望めども、
 長安は見えず、ただ塵霧しか見えません。
 ただ、思い出の品をもって深い情を表したいと存じます。
 鈿合(螺鈿の小箱)と金釵(金のかんざし)を預かってください。
 釵(かんざし)は片方を、合(小箱)は一方を残します。
 釵(かんざし)は黄金と、合(小箱)の螺鈿を分けましょう。
 金鈿(金や螺鈿)のように、お互いの心が堅くさえあれば、
 天上界か人間界において、必ず、また相いまみえる日が訪れる
 ことでありましょう」と。

読み下し文:
情を含み、睇を凝らして君王に謝す
一たび別れしより、音容、両つながら渺茫たり
昭陽殿裏、恩愛絶え
蓬萊宮中、日月長し
頭を迴らして下に人寰を望む処
長安を見ずして塵霧を見る
唯だ、旧物を将て深情を表さん
鈿合・金釵、寄せ将ち去らしむ
釵は一股を留め、合は一扇
釵は黄金を擘き、合は鈿を分かつ
但だ、心をして金鈿の堅きに似せ令むれば
天上人間、会ず相ひ見えんと

菱田春草:蓬莱山
 
菱田春草蓬莱山

不明   
岡田美術館  


白文:
含情凝睇謝君王
一別音容両渺茫
昭陽殿裏恩愛絶
蓬萊宮中日月長
迴頭下望人寰処
不見長安見塵霧
唯将旧物表深情
鈿合金釵寄将去
釵留一股合一扇
釵擘黄金合分鈿
但令心似金鈿堅
天上人間会相見