霜月(11月) 3日、
浅井
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朝倉
人数を出だし、虎後前山より宮部までつかせられ候、築地、引き崩すべき手立てとして、
浅井七郎
足軽大将にて、先を仕懸り来たる。
すなわち、
羽柴藤吉郎
人数を出だし取り合う。
梶原勝兵衛・
毛屋猪介
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富田彌六
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中野又兵衛
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瀧川喜左衛門、先懸けにて暫し支え合い、追い崩し、各々功名比類無し。
瀧川喜左衛門 事、日頃 御近習に召し使われし者にて候。以前、大谷表にて大差し物を仕り罷り出で、させる働きもこれなく、「 曲事!」と仰せ出ださる。この頃、御勘当を蒙り虎後前山に居残り、今度、目に見え候 働きを仕り、各々御取り合いにて、御前へ召し出だされ、面目を播すなり。