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訳文:
天
すなわち、皆 それぞれの姿を現して、その者のために法を説き、(デーヴァ) ・竜(ナーガ) ・夜叉・乾闥婆(ガンダルヴァ) ・阿修羅(アスラ) ・迦楼羅(ガルダ) ・緊那羅(キンナラ) ・摩候羅迦(マホーラガ) と、人非人等の身として悟りを開くべき者には執金剛神 (ヴァジラ=ダラ) として悟りを開くべき者にはすなわち、執金剛神の姿を現して、その者のために法を説くのです。 無盡意さん、この観世音菩薩は、このような功徳を成就して、様々な姿をもって国土に現れては、人々が悟りを開けるようにしてくれるのですよ。ですから、みなさんは、まさに一心に観世音菩薩を供養すべきなのです。 この観世音菩薩摩訶薩は、みなさんが大変な困難に陥った際に、恐れたりしないようにもしてくれます。なので、この娑婆世界では『 施無畏者 』 (無畏を施すお方) という呼ばれ方をします」
無盡意菩薩は仏さまに言いました。「お釈迦さま、私は、今、まさに観世音菩薩さまに供養いたします!」 そして、首に掛けていた百千両金の価値のある宝珠瓔珞を外して言いました。 「仁ある尊き方、この法施の珍宝瓔珞をお受けください」と。 |
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狩野山雪『 観音天龍夜叉図 』 1647(正保04) 京都 東福寺 |