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「 長恨歌 」 と絵画: 第八段


白居易「 長恨歌 」第八段と絵画を紹介するページです。
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訳文:
都に還ってみれば、池も庭も、みな昔のままで、
太液池には芙蓉(蓮の花)が開き、未央宮には柳が垂れています。
芙蓉は楊貴妃の顔のよう、柳は妃の眉のようであり、
これを見て、どうして涙を流さずにおられましょう。
春の風に桃李の花が開く夜、
秋の雨に梧桐の葉が落ちる時、
西の御殿や南の庭園には秋草が生い茂り、
落葉が階を赤く染めても、掃き清められることもありません。
かつての梨園(帝が養成した歌舞団)の弟子たちも白髪が目立ち、
椒房(妃の居室)の阿監(宮女監督の女官)の青娥(青い眉)も、 すっかり老いてしまいました。

狩野山雪:長恨歌画巻8
狩野山雪『 長恨歌画巻 』より
チェスター・ビーティー・ライブラリ
読み下し文:
帰り来たれば、池苑、皆、旧に依る
太液の芙蓉、未央の柳
芙蓉は面の如く、柳は眉の如し
此に対して如何ぞ涙の垂れざらん
春風桃李、花開く夜
秋雨梧桐、葉落つる時
西宮南苑、秋草多く
宮葉、階に満ちて、紅掃はず
梨園の弟子、白髪新たに
椒房の阿監、青娥老ゆ

白文:
帰来池苑皆依旧
太液芙蓉未央柳
芙蓉如面柳如眉
対此如何不涙垂
春風桃李花開夜
秋雨梧桐葉落時
西宮南苑多秋草
宮葉満階紅不掃
梨園弟子白髪新
椒房阿監青娥老